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結論を先に言うほうがよい?

いまではコミュニケーション技術の書籍が数多く出版されており、そのほとんどに「結論から先に言うほうがよい」というアドバイスが書かれています。確かに結論から先に言うほうが、相手に伝えたい情報をしっかりと伝えることができます。しかも伝えるための時間も短縮され、効率的に伝達することができます。

 

でも本当に結論から先にいうことが正しいのでしょうか?

 

 

○結論から先に言うために必要なことがある

 

実は結論から先に言うためには、必要な前提条件があります。

 

  1. 結論に関わる諸情報を聞き手と話し手が共有している
  2. すでに結果や結論が出ている
  3. 一つの案件に関わる結果や結論は、一つだけ

 

つまりこの三要素を満たすものは「報告」となります。

「報告」であれば報告をする側も報告を受ける側も、その案件についての情報は共有しています。結論から先に言ってよい状況は「報告」の場合となるわけです。

 

 

○結論から先に言わないほうがいい状況はなに?

 

結論から言いますと(笑)「相談」です。

業務内において相談をする場合は、これからしようとする行動の是非を確認する場合がほとんどです。その場合は結論を言うのではなく、行動を促すように言い始めると相手に伝わりやすくなります。その際、相手に気遣いをしている言葉を添えるとベストです。

 

例えば

「お忙し所申し訳ありません。ご相談がありまして3分ほどお時間よろしいでしょうか」

「どうぞ」

「実は新規案件の次のアクションで3つの候補があるのですが、どれがベストかのご助言を頂きたいのです。1つ目は○○、2つ目は△△、3つ目は××。私としては○○が良いと考えているのですが、どう思われますか?」

 

このように相談の場合は、相手にとってもらいたいアクションを始めに提示することで、わかりやすく伝えることができるようになるのです。

 

 

○状況に合わせて使い分けること

 

コミュニケーション技術はそれ単体が絶対的なものではなく、その状況に合わせて使うことで円滑なやり取りが可能になります。本に書いてあった通りに実践したのに、あまりうまく伝わらなかったと感じているのであれば、もしかしたらその技術に適した状況ではない時に使っているのかもしれません。

 

その状況を判断するには俯瞰して見る。つまり、一歩離れた場所から全体を見る必要があります。その自分から離れた視点を持つのも、論理思考力を鍛えることで獲得することができます。

 

 

セミナーは随時開催していますので、関心がある方は是非参加してくださいね。