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言った・言わない問題

みなさんの会社で起こるトラブルの一つ「言った、言わない」「聞いた、聞いてない」問題。これのせいで余計な時間を使ったり、物事の動きが止まったり、人間関係が険悪になったりと、様々なデメリットと遭遇することになりますよね。

今日はこの発生メカニズムとその予防策をお伝えしようと思います。

 

 

 

なぜこの問題が起きるのか

そもそもなぜ「言った、言わない」「聞いた、聞いてない」問題が起きるのでしょうか。それには大きな要因が2つあります。ひとつは「コミュニケーション不足」、もうひとつは「思いこみ」です。この2つの要因によって、この問題の発生確率は急激に高まります。

ではこの2つの要因を詳しくみていきましょう。

 

 

コミュニケーション不足の場合

コミュニケーション不足が原因の場合によく見られるのが「なんとなくお互いが分かったような気になってしまった」現象です。

日本におけるコミュニケーション文化には「あうんの呼吸」「空気を読む」といった、直接言葉にせずとも察することが必要な文化となっています。これを「ハイコンテクスト文化」と呼びます。これとは逆に欧米でははっきりと意見を伝える文化ですので「ローコンテクスト文化」となります。どちらが優れているという差はありません。あくまでも伝達文化の違いでしかありません。

日本はハイコンテクスト文化ですので、お互いが「なんとなく分かり合えた」と意識することで、その話題についてはそれ以上踏み込まなくなってしまいます。

つまり明確な結論がないまま物事が進行していくという、文化的側面があるのです。そのためお互いに認識がずれていてもそれを確認することがないので、重要なタイミングで認識のズレが表出しこの問題に発展してしまいます。

 

思いこみの場合

これは分かりやすいですよね。そうです「言った・聞いた」と思いこんでいるから、そこで認識のズレが生じてしまうのです。

またこの思いこみの場合、実際には「A」という内容でお互いに確認しあっていたとしても、後になって片方が『やっぱり「B」のほうがいいな。後で伝えておこう』と考え直したときが要注意です。自分の頭の中ではすでに「B」が既定路線と考えている状態となります。そこでちゃんと相手にその事を伝えられればいいのですが、日々の業務によって伝えることを忘れてしまった結果、自分は「B」相手は「A」といったズレが生じてしまいます。

このように思いこみの場合、するべきことを忘れたり、記憶が変化したりしたときにこの問題に発展してしまうのです。

 

予防するにはどうすればいい?

では実際にこの問題を発生させないためにはなにに注意をすればいいのでしょうか。

それは「明確な結論を共有する」「定期的な認識のすり合わせ」となります。ハイコンテクスト文化であっても、結論を曖昧に理解するのではなく明確にすることが重要です。これにより認識のズレは解消されます。

また途中で認識のすり合わせをすることで、問題が大きくなる前に軌道修正することが可能となります。

それぞれの頭の中の結論をズレなく共有することが大切になってくるのです。

 

そのために必要になってくるのが、分かりやすく伝える力であり、明確に理解する聴く力です。

これらの力は論理力を向上させる事で身につく力です。セミナーを受けた方はその手法をすでに獲得していますので、是非とも活用してこの問題が起きないよう働きかけてみてくださいね。

 

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