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新人教育の大切な視点

年度がかわって起きる大きな変化は、新人の受け入れです。

そした多くの方が頭を悩ませているのは、新人教育ではないでしょうか?

 

新人教育、大変ですよね。

新人教育のマニュアルが完備されていればいいですが

それすら無いという会社も多いのではないでしょうか。

 

マニュアルの無い新人教育ほど、自分が試される試練は無いと思います。

人に何かを教える。

実はこれはとても難しいことなのですね。

 

効率的な教育プロセス。

業界内の常識言葉の解説。

相手の理解度の問題。

分かりやすい説明の仕方。

などなど。

 

今日はその中で

『指導者マインドの罠』についてお伝えします。

 

 

『指導者マインドの罠』とは?

 

端的に説明すると

『自分が知っている事は常識の範囲である』という錯覚のことです。

いまいる業界で長年勤めていると、業界や社内慣習が身に染みています。

それは言語化されずに、体感として理解していることがほとんどです。

だからこそ「これは常識だ」と思ってしまいがちになってしまいます。

そういった言語化できない知識を「暗黙知」と呼びます。

 

しかし外部から新たにやってきた新人は、そんな事は知りません。

知らない人にあたかも「知っていて当然」といった態度を取る場合があります。

そうなると指導者側は「どうしてこんな基本も理解できないんだ」と

理解が出来ないことは、相手の理解能力が低いからだと考えてしまいます。

 

それこそが指導者マインドの罠に嵌まっている状況なのです。

 

 

相手の理解力のせいではないと考えよう

 

どれだけ説明しても、相手が理解しない場合があります。

そんなとき「コイツは何を言っても理解出来ないヤツだ」と

相手の能力不足を嘆いたりしていませんか?

実際に僕自身もその経験はあります。

僕自身が「指導者マインドの罠」に嵌まってしまっていました。

 

しかしふと考えなおしてみたのです。

何を説明しても理解しないのならば、免許も取れないし生活も出来ない。

でもその相手は免許を取得し、様々な活動を楽しんでいる。

 

相手のやる気といった根性論ではなく、僕の指導法が悪いのではないか?

そこに思い至ることが出来ました。

そうです。

相手の理解力のせいにしてしまうことは、自分の指導力の無さを認めないということに他なりません。

 

相手はちゃんと理解できる力を持っています。

でなければ今頃は生きていません。

問題は相手ではなく自分にあると思えるかどうかがポイントです。

 

 

相手が理解できる話し方をしよう

 

自分がしている説明は『自分にとってわかりやすい説明』になっていませんか?

人が誰かに説明するとき、往々にしてこの罠に陥っている場合があります。

素晴らしい説明は『相手にとってわかりやすい説明』です。

 

それは相手が理解できる言葉、手法、順序、その全てを総動員する必要があります。

相手が理解できるそれらの要素を知るには、相手のことを知る必要があるのです。

説明の前に相手のことを知る。

このステップを入れることで、どのようなアプローチが最適かを判断します。

 

人には認知タイプといったものがあります。

大きく分類すると「視覚優位」「聴覚優位」「体感覚優位」となります。

それぞれに適した表現法があるので、相手の認知タイプに合わせて説明する言葉を選ぶ必要があります。

視覚優位であれば、映像が浮かぶように。

聴覚優位であれば、言語として分かりやすく。

体感覚優位であれば、行動例や感情に訴える。

 

そうすることで、相手の理解度はかなり変わってきます。

これを意識しないで説明していると、自分の認知タイプの説明の仕方を無意識にしてしまいます。

そうではなく、相手に寄り添った説明を心がける必要があるのですね。

 

 

 

新人教育は自分が試される最大の試練です。

生かすも殺すも自分の能力次第。

僕も数多く悩みましたが、試練と考えて挑戦してきました。

みなさんも前向きに試練に挑戦してみませんか?

 

自分を磨くチャンスにもなりますよ!