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説得のためのモードを意識してみよう

 

相手に自分の要望を受け取って、行動してもらいたいとき

様々な手段で説得を試みますよね。

その説得がうまくいく場合も、うまくいかない場合もあります。

 

そんなとき『モード』の意識を持ってると

説得がやりやすくなりますよ。

『モード』には大きくわけて2種類があります。

 

ではその種類とは何かと言いますと

 

『利益モード』と『信念モード』です。

 

 

利益モード

 

利益モードは、それをやることでどんなメリットがあるのか

それを重要視している状態となります。

このモードのときには、しっかりと相手の利益を明確にしましょう。

そうすることで、こちらの言い分を聞いてくれる準備が整います。

 

実は多くの人は、発言者つまり自分のメリットや状況だけを伝えて

それを理由に相手に行動を起こしてもらおうとしてしまいます。

たしかにどんな理由があるかをちゃんと伝えなければ

相手は納得して動いてはくれませんよね。

 

ただ問題があって、このときに取りがちなミスは

自分の利益だけで、相手の利益が無いということです。

ちゃんと相手にも利益があるということを

しっかりと伝えてるように心がけてみましょう。

それだけで、相手の反応は大きく変わってきます。

 

信念モード

 

信念モードは、価値観や理念を重要視している状態です。

このモードの時には、いくら利益を伝えても、相手の心には響きません。

どれだけ利益を提示しても、相手が信念を重んじていると動かないのです。

 

例えば

『百万円をあげるから病院に火をつけて』

と言われても、やらないですよね。

『働いている人たちの心に火をつけた』

なんてトンチを効かせるのは無しですよ()

 

このように自分の信念と合致しなければ、どんな条件を出されても

その申し出を受けることは無いんですね。

 

 

ジョージ・ワシントンの言葉

 

アメリカ独立戦争開戦間近の12月。ある危機に直面していました。

それは兵士たちの入隊契約期間が11日に切れることです。

そこで上官は兵士たちに、6ヶ月延長すればさらにボーナスを出す

と持ちかけたのです。

同意する者は一歩前に出るようにと言われましたが

誰一人として、前に出る者はいませんでした。

 

そこでジョージ・ワシントンは兵士の前でこう演説したのです。

 

勇敢な同志諸君。諸君は私が求めたことをすべてやってくれた。

期待以上の働きをしてくれた。

しかし、諸君の祖国は危機に瀕している。

諸君の妻も、家も、諸君の大切なものすべてが危機に瀕している。

諸君は疲労と困難で消耗している。

しかし、諸君なしでは我々はなす術がない。

もしもあと1カ月間とどまってくれれば、諸君は自由の大義と祖国に対し

ほかの状況では絶対にできないような貢献をすることになる。

 

これを聞いた何人かの兵士は一歩前に踏み出しました。

すると他の兵士も次々と一歩を踏み出していったのです。

 

 

これは『利益モード』から『信念モード』に切り替えたことで

兵士たちの心に言葉が届いた瞬間です。

 

 

どちらのモードだから良いというわけではありません。

どちらも有効なモードです。

状況によってどちらを使うかが重要になってくるのです。