· 

相手を説得するための方法⑪ 構成・表現を意識しよう

 

【相手を説得するための方法シリーズ】の第11週目。

今回のテーマは『構成・表現を意識しよう』です。

単純に事実だけを伝えても、心に響きませんよね。

 

どのような順番で伝えるのか

どのような表現で伝えるのか

それを意識することで、伝わり方は大きく変わります。

相手の心に届けることで、説得も可能となるのです。

 

 

比較してみよう

 

・Aパターン

○○の国では衛生環境が悪く、水を汲むにも数時間かかります。

そのうえ疫病が流行っており、毎年2万人の子どもが命を落としています。

毎月、1,000円の援助で子どもたちを救うことができるのです。

 

・Bパターン

11歳の少女、アルビジャが暮らす○○では、上下水道が行き届いていません。

水を手に入れるためには、35度を超える炎天下のなか、裸足で3キロ離れた場所まで歩いていかなければなりません。

衛生環境も整っておらずマラリアを媒介する蚊が発生しており、子どもたちは絶えずその脅威にさらされています。

アルビジャの3歳離れた妹も、病気で命を落としました。

彼女に衛生的な環境と水をプレゼントするのには、毎月、1,000円だけで足りるのです。

あなたからの支援の気持ちをお待ちしております。

 

 

解説

 

Aパターンは事実を淡々と述べているだけです。

2万人の子どもが命を落とすともありますが、どうしても数字としてしか認識できません

 

しかしBパターンの場合だと、その国で暮らす子どもがどのような日常生活を送っているかが明確に浮かんできますよね。

そして疫病被害も、少女の妹が命を落とした描写でよりリアルに感じることができたと思います。

 

今回のような題材の場合、伝える順番は、登場人物がどのような暮らしをしているのかをまず明確にします。

そのあと、どんな経験をしたのか。

助ける方法。

読み手がとるべきアクション。

 

と構成されています。

 

いかに具体的に感じることができるのかに焦点を絞った表現となっているのです。

 

 

ありありとイメージできるように

 

今回は文章ですが、会話でも全く同じです。

相手がまるで、映像を見ているような語り口で

その世界に気付いたら没入していた。

そのような構成を心がけることが重要になるのです。

 

順番に関しては、扱う題材で変化します。

ですが基本的には以下のパターンとなります。

 

①前提

②状況

③提案

④確認

 

それぞれのパートで、より具体的な言葉を使うことを意識してみましょう。

 

相手の感情が動くほど臨場感たっぷりに伝えれば

説得はもう目の前です。