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誰かの失敗はその人の能力のせい?

少し想像してみましょう。

A君は少しせっかちな性格をしています。

そんなA君は一週間前に、廊下の曲がり角で転倒しました。

そのときは大きな怪我はなかったのですが

今日、同じ場所で転倒したときに足首を痛めてしまいました。

 

さて、この話しを知ったときあなたはどう感じましたか?

「少しは落ち着いて歩けよ」

そう感じたかもしれません。

実はそれは、人が持つ思考のワナかもしれません。

 

 

基本的な帰属の誤り

 

人の行動の原因を考えたとき

その人の内側に原因があると思う傾向にあります。

 

どういうことかというと

さっきのA君ですが「少しせっかちな性格」という

前情報がありました。

この前情報に強く引っ張られてしまい

転倒したのは、せっかちがゆえに注意散漫だったと

A君に転倒の原因があると紐付けてしまうのです。

 

そうなると、廊下のその場所が滑りやすいという

外的要因の可能性を見落とすことになるんですね。

 

 

問題が起きたとき、人のせいにする

 

このような思考のワナがあるために

仕事でミスが起きると、担当していた人の

能力不足が原因だと短絡的に考える傾向があるのです。

 

そうなってしまっては、業務改善は進みません。

実は担当していた人の置かれた環境が悪いせいで

ミスが起きやすい状態であったかもしれないのです。

 

相手の内面に原因がある場合もありますが

相手の外側にミスに繋がる原因があることもあります。

そこに視点を向ける意識を持つことが大切なんですね。

 

 

この思い込みから抜け出すために

 

この考え方は無意識でやってしまいます。

そのため、意識して考える順序を変えることが大切なんですね。

その一つとして「誰」を最後に置く方法があります。

 

51Hはよく言われていますが

あえて41Hにして、出来事と状況だけに注目するのです。

そうすることで、誰かに紐付いたレッテルに引っ張られることが防げます。

 

人に注目してしまうと、人の特性に引っ張られてしまい

客観的な状況把握が難しくなってしまうんですね。

 

人は二の次三の次。

出来事と状況に意識を向けるようにしてみてくださいね。