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効果的なフィードバックの方法

 

もしもあなたが

新人育成・後輩育成・部下育成

に携わっているのなら

 

フィードバックの技術はとても大切なものになります。

 

フィードバックは相手に自分の状態を気づかせ

次に何が必要かを見つけ出し

それを実行するモチベーションを高めてくれます。

 

今回は正しいフィードバックの手順を紹介しますね。

 

 

①情報収集

 

まずはフィードバックを行う相手について知る必要があります。

相手のことをあまり分かっていなければ、フィードバックも憶測だらけになってしまい、相手は納得してくれません。

それではせっかくの話し合いの機会が、無駄になってしまいますよね。

 

ではどんな情報を集めなければならないのか?

そのときに役立つのが「SBIモデル」です。

 

S=Situation 状況

B=Behavior 行動

I=Impact 影響

 

となります。

 

「S」は「どのような状況で」「どんな状況のときに」といった、背景情報のことを言います。

どのような状況のなかで何が起きたのかを把握しないことには、全体の因果関係を掴むことができません。

 

「B」は「相手のどんな振る舞い」「どんな行動」のことです。その状況や背景、または判断や切っ掛けによって、どのようなことをしたのかを具体的に掴みます。

ここも曖昧さがあると正しいフィードバックを行うことができなくなってしまいます。

 

「I」は「どんな影響を生み出したのか」「何が良かったのか」「何がダメだったのか」です。つまり行動による結果のことです。

 

SBIモデルで集める情報は、客観的であることが大前提です。主観的になってしまうと、フィードバックを行う側の無意識の思い込みが入ってしまい、相手に相応しいフィードバックを届けることができなくなってしまいます。

 

フィードバックで重要なキーワードが「客観的である」ことなんですね。

つまり効果的なフィードバックを行うには、日頃から相手のことを気にかけて観察することが大切になるということです。

 

 

②信頼性の確保

 

これはフィードバックをする人と、される人との間に良好な関係性があるかどうかが肝になります。

例えばあなたがフィードバックを受ける立場だったとして、心底嫌いな上司からフィードバックを受けたとしても

「なんでそんなこと言われらアカンねん」

と、反発心が生まれてしまいますよね。

 

表面上は「はい」「はい」と返事をしていても一切聞いていなかったり、面従腹背の態度を当たり前のように取ってしまうのではないでしょうか。

 

つまり何を言われるかの前に

「誰に言われるか」

が重要になってくるのです。

 

そのためには相手との間に上司・部下という関係だけでなく、人間的な関係性を築いておく必要があるのです。

 

 

③腹落とし

 

対話を通して、現状と目標とのギャップを意識化していきます。

ここで大切なのが

「あなたの悪いところに、こういうところがあるよね」

と、相手に対して決めつけと評価を行わないことです。

 

あくまでも伝え方は「このように見える」といった、客観的な情報のみを伝えることがポイントです。

 

「私には、このように見えたよ」

と、どのように「見えた」のかだけを伝えます。

ここにフィードバックをする側の評価や判断は含みません。

ただ、見たままをあるがままに伝えるだけでいいのです。

 

するとそこに評価や判断が含まれていないため、フィードバックを受ける側も冷静に自分の姿を確認することができるようになるんですね。

 

フィードバックで大切なのはこの「腹落とし」での「伝え方」です。

徹底的に客観的な情報に限定すること。

相手にまるで鏡で写したように理解できるように、言葉で伝えていくことです。

 

例えば仕事を進める時間が遅いと感じていても

「あの仕事を終わらせるのに、3日掛かっていたよね」

と、「3日も掛かって遅いんじゃないか」といったような、こちら側の体感は含ませないことがポイントです。

 

ここで「遅い」という判断を相手に伝えてしまうと、相手はそう思っていなかったときに反発が生まれてしまい、届ける言葉を受け止めてくれなくなってしまうんです。

 

客観的に伝えるからこそ相手も素直に認めてくれるんですね。

 

 

④内省支援

 

ここでは相手が一連の出来事を振り返るための手伝いを行います。

ただ起きた出来事を振り返るだけでなく、起きた出来事を見つめ直すことでどこに改善点があるかを見つけ出していきます。

 

ここでも改善点をフィードバックする側が指摘するのではなく、相手に気づいてもらうために質問によって引き出していきます。

 

「今から考えたとき、この場面で最適な行動はなんだったかな?」

「もし、次に似たような状況になったら、どうするかな?」

「そう思った理由を教えてもらっていいかな」

「その行動をすると、こういったことが起きるかもしれないけど、どう思う?」

 

など、あくまでも答えは相手の口から出るようにしていきます。

ただし大切なのは、こちらが出して欲しい答えを予め設定して誘導するのではなく、相手が考えた結果の答えから改善していくことです。

 

相手の考えを尊重し、相手の思考の流れに任せることが大切です。

 

人は、人から言われたことよりも、自分で言ったことを優先します。

相手の口から最良の改善が生まれることを信じて向き合うことが大切なんですね。

 

 

⑤期待通知

 

ここでは「いつまでに」「どのように」取り組むのかの約束をしていきます。

ここでもフィードバックする側が決めてしまうのではなく、相手に決めてもらいます。

フィードバックする側が決めてしまうと、せっかくの成長のための取り組みに「やらされ感」が生まれてしまい、単なるタスクになってしまいます。

そうではなく、相手が自分自身で宣言することで、その行動そのものに責任を持たせることができるんですね。

 

その責任の有無が、主体的な行動となっていきます。

 

対話によって生まれた改善の実施や、達成出来ることを信じていると相手に伝えます。

また突き放すのではなく、いつでも相談して良いと伝え、事前にフォローする意思があることを宣言しましょう。

それにより相手は安心して取り組めるようになります。

 

フィードバックの最後に相手の背中を押してあげることで、行動へのモチベーションを高めることができます。

もちろん相手が相談してきたときには、誠心誠意向き合うようにしてくださいね。

その対応がなおざりなものになってしまうと、信頼性を損なうことになるので注意してください。

 

 

 

以上がフィードバックを行うときのポイントになります。

部下育成は職場の人間関係を改善する機会でもあるんですね。

積極的に関わって、パフォーマンスの高いチームを作ってください^^