· 

共感の前にやっておくこと

人間関係を築く上で共感は重要な要素ですが、相手が乗り気でない場合に無理に共感を示すと、かえって心の壁を作ってしまうことがあります。

そこで、共感の前にあることに意識を向けることが重要となります。

今回は人間関係の構築において、相手との間に心の壁を生み出さないようにするための、具体的なアプローチを紹介します。

 

 

共感の前に

 

では早速、共感の前にやるべきことをお伝えします。

それは「相手の関心を理解する」というものです。

 

人とのコミュニケーションにおいて、相手の関心に意識を向けることは重要なステップの一つとなります。

相手が興味を持っているコトや話題を把握することで、対話の中でより深いつながりを築くことができます。

 

相手が何に関心を寄せているのかを知るためには、まずは自分が相手に関心を向けなければなりません。

この人はどんな人なんだろうと相手に関心を持つからこそ、相手のことをもっと知りたくなっていくのです。

自分が大好きなもののことを、とことん調べたということがあるのではなないでしょうか。

ます相手に関心を寄せることで、相手がどんなことに関心をもっているかを知りたくなっていくのです。

 

相手のことがある程度わかってくると、相手が何に関心を寄せているのかが見えてくるようになります。

ここまでの流れとしては、軽い日常会話のレベルで問題ありません。

相手の価値観や信念に立ち入ってもいないので、気楽に相手は答えてくれるでしょう。

 

 

次の段階は、相手が関心を向けていることに自分も関心があることを伝えていきます。

「類は友を呼ぶ」

という言葉もあるように、同じものに関心を示してくれる人に警戒心を解いてしまうのが人という生き物です。

 

ここでやってはいけないことは、相手の人が関心を持っていることにこちらが一切の興味関心が無いのに、関心があると嘘をつくことです。

この嘘はすぐに相手にばれてしまいます。

そうなると一気に信用がなくなってしまうので、自分が本当に関心を持てたことだけに絞り込んでください。

相手の関心の全部ではなく一部でもいいので、本当に自分も関心を持てるものだけにすることが大切です。

 

このように関心を事前に共有しておくことで、自分も相手も「それなりの人となり」を理解し合うことになるのです。

 

この準備が整ってはじめて、共感が効果を発揮するのです。

 

 

なぜ理解が必要なのか?

 

ではどうしていきなり共感しても効果がないのか?

それだけでなく、逆効果になってしまうのか?

その理由についてお伝えしていきます。

 

人と仲良くなっていくには、全てとは言えないものの、一般的には互いに理解し合うなかで心が繋がっていきます。

多くの場合で、関係が築かれるはじめの段階では相手との共通点や興味をみつけ、親近感を構築していきます。

ここで大切なのは、どれだけの共通項目があるのかということ。

つまり情報の類似性が優先されて、感情はまだ入ってきていないのです。

 

共感というのは、相手の状況や考え方だけでなく、感情の理解まで含まれます。

そして感情というのは、考え方や信念によって生まれてくるものなので、相手が「自分のことを理解してくれている」と思っていないときに、相手の感情に理解を示したとしても「私の何がわかるんだ?」と、反発が生まれてしまうのです。

 

相手が関心を向けているものに関心を向けることは、相手の考え方や価値観の理解へと繋がります。

そのような相互理解が整ったうえではじめて、感情の理解を示しても相手は不快に思わなくなるのです。

 

 

感情に理解を示したらダメなの?

 

もしかするとあなたは、ここまでのことに反発を覚えるかもしれません。

「出会って日が浅かったとしても、相手の感情に理解を示すことは悪いことじゃないのでは?」

そう思うかもしれません。

もちろん相手の感情に理解を示すことは悪いことではありません。

でもそれは本当に理解なのでしょうか。

 

先にも述べましたが、感情は考え方や信念から生まれてきます。

つまり相手の感情を理解するというのは、その考え方や信念の理解まで含まれるということなのです。

共感とは、相手の考え方によって生まれた心の動きの全てを理解するといえるのです。

 

そうすると、出会って日が浅い人の感情に対して行っているのは、理解ではなく「同意」となっているのではないでしょうか。

 

同意は、自分の価値観と照らし合わせた結果として

「そんな感情になるよな~」

と、自分の内側で納得したときに行われることです。

つまり相手の考え方ではなく、自分なりの考え方で納得しているに過ぎないのです。

これは相手の心の動きではなく自分の心の動きでしかないので、共感とはいえないのです。

 

とはいえ、相手の感情を自分なりに考えて納得することは、相手に寄り添おうとしていることに違いはないので、悪いことではありません。

 

 

 

ということで、共感の前に相手の関心に意識を向けるということについてお伝えしました。

色々と書き連ねましたが、ようは相手のことを尊重し理解しようと努めることです。

そうすることで、良好な人間関係を築いていくことができるのです。

 

そのためにも相手の関心に意識を向けて、相手から「自分と同じ」と思ってもらえることが大切になるのです。

そのように思ってもらえれば、心の壁も生まれずに仲間意識を持ってくれるようになります。

 

相手に心の壁を作らせない。

それこそが良好な関係構築の第一歩となるのです。