今回ブログ内容は、読者様からのリクエストにあった、離職防止のヒントをお伝えしたいと思います。
実は離職を決断するには3つの要素が大きく関係しています。
その3つの要素がどのように絡んでいるのか、またどのように対処すれば良いかのヒントをお伝えしていきます。
もしもあなたが部下を持つ立場にいるのでしたら、今回のブログは離職防止だけでなく、チームビルディングの大きなヒントになるでしょう。
ぜひ最後までご覧になってくださいね。
退職を決意する3要素
早速ですが、退職を考える3要素を発表します。
それは
「人間関係」
「やり甲斐」
「報酬」
の3つです。
この3要素の「不足」によって、人は所属している会社を辞めるかどうかを決めます。
イメージとしては下図のようになります。
それぞれの満足度が退職ラインを上回っていれば、その人は辞める選択はしません。
ですがどれか1つが退職ラインを下回ったとたんに、積極的に退職について考えるようになります。
今回は図を簡略化するために退職ラインが一直線になっていますが、それぞれの要素によってラインの位置は違ってきます。
ラインの位置はその人の「優先順位」で決まってきます。
例えば
「やり甲斐>報酬>人間関係」
といった優先順位を付けている人であれば、「やり甲斐」の退職ラインは高い位置にあり、「人間関係」の退職ラインは低い位置にあります。
また退職判断の基準はこのように各要素で見るだけでなく、下図のように
各要素を合計した、合計値における判断基準も存在しています。
つまり各要素の視点と、合計の視点の二つを持っていると言えるのです。
そして多くの場合、この合計値は各要素の退職ラインを足し合わせたものより、わずかに高い位置に存在しています。
つまり各要素が最低限満足できるものであっても、合計したときに不足していると判断される場合があるということです。
ということで離職を考えさせないためには、上司や雇用主が、部下や従業員のこの3つの要素を満たす必要があるということです。
満たしている間は、退職意識が眠ったままになるのです。
2つの取り組み姿勢
お伝えした3要素が退職ラインを下回らなければ良いわけです。
ここではまず、退職ラインを下回らないようにするための、2つの姿勢についてお伝えします。
まず一つ目は、満足度を下げないというアプローチがあります。
ここで少し考えていただきたいのですが、何が原因で満足度が下がると思いますか?
その原因というのは、満足度の対象がどんなものであっても共通の原因なのですが、その共通の原因は何だと思いますか?
どうでしょう。
考えて頂けましたか?
では、答え合わせをしてみましょう。
その共通の原因はというのは「期待の裏切り」なんです。
人は期待を裏切られたと実感したときに「不満」が生まれるのです。
例えば、あるレストランに行ったとしましょう。
値段もそこそこのお店です。
そうなると、お店の外観や内装、接客や料理の盛り付け、そして一番肝心な料理の美味しさに、無意識的に期待するようになります。
提供されたサービスが期待通りもしくは、期待以上であれば、不満は生まれません。
ですが想定以下のサービスだった場合、不満がうまれて口コミサイトに低評価を付けたくなってしまいます。
この「期待の裏切り」を発生させないことが、満足度を下げない効果的な対応となります。
ではどのようにすれば「期待の裏切り」が生まれなくなるのか?
具体的な方法についてお伝えしようとすると相当な文章量になるので省きますが、一言で言えば「期待値をコントロール」することなんです。
期待というものは自分勝手に持ってしまうのですが、それを自分勝手にさせないように予めどういったものかを伝えておくんです。
そうすることで期待値の無用な高騰を防ぐことができるんです。
不満の大きさは、期待と現実とのギャップの大きさに比例します。
このギャップを生み出さないようにすることが大切になります。
可能であれば、期待を上回る現実を与えてあげることが理想的ではありますけどね。
でもなかなか難しいので、期待値をコントロールしたほうが確実になるんです。
もう一つの取り組みは、それぞれの要素を満たしてあげるといったものです。
満たし方は要素によって違ってくるので、そのことについてお伝えしていきます。
各要素の満たし方
では「人間関係」「やり甲斐」「報酬」をどのように満たすのかについてお伝えしていきます。
まずは「人間関係」です。
これは2つのアプローチがあります。
それが「否定しない」と「気にかけてあげる」なんですね。
人は否定をされると自尊心が傷つきます。
そして自分を守るために、自尊心を傷つける人のことを避けるようになります。
そうなってしまっては、コミュニケーションを取ることができなくなってしまいます。
コミュニケーションが取れなくなると、ますますその人は「疎外感」を感じるようになり、その場所に居場所がないと思うようになります。
人間関係は「受け入れられている」という実感があるからこそ、良好さを維持することができます。
「居場所がない」というのは真逆の状態ですよね。
そうならないためにも、相手を否定せず、気にかけてあげることが大切になるんです。
次に「やり甲斐」です。
これは仕事を任せることで、満たすことができます。
。
この時にやってしまう間違った仕事の任せ方は、責任の全てを相手に背負わせてしまうことなんです。
それは「任せる」ではなく「押しつけ」でしかありません。
人は何かを押しつけられることを何より嫌います。
押しつけてしまえば、やり甲斐なんてものは生まれませんし、押しつけてきた相手を憎むようになり、人間関係も悪くなってしまいます。
では「任せる」というのは何かというと、責任は上司が持ち、仕事の権限を部下に与えるということです。
このような姿勢を取ると部下は
「自分は信頼されている」
と感じるようになり、組織内においても役立っていると実感できるようになります。
やり甲斐の正体は「役立っている」という実感なんですね。
人は原則的に「貢献欲」というものを持っています。
人の役に立ちたいと思っているんです。
その実感を与えることで、やり甲斐を満たすことができるようになるのです。
3つ目は「報酬」です。
報酬は会社が決めることと、諦めていませんか?
実は「報酬」は給与だけではありません。
お金や豪華な食事といった物質的なものだけでなく
「感謝」
「認められる」
といった無形の報酬もあるのです。
物質的な報酬は肉体の満足度を高めますが、無形の報酬は心の満足度を高めてくれます。
感謝や認められるというものは、自尊心を満たす心の栄養なんです。
そして人は、自分の自尊心を何より大切に感じているので、自尊心を満たしてくれる場所があるのならそこから離れようとはしないのです。
ただ明らかに低賃金となると生活基盤が脆くなるので、安心して暮らしていけるだけの賃金は出してあげて欲しいところではありますけどね。
ということで、離職防止についてのヒントをお伝えしました。
人は「人間関係」「仕事のやり甲斐」「報酬」の3つで、職場の良し悪しを判断しています。
いまの職場でこの3要素がどうなっているのかをまずは確認してください。
そして、あなたが3要素を与えられる立場にいるのなら、惜しみなく与えるようにしてくださいね。
そうすることで部下や従業員の方は、仕事を辞めようとは考えなくなりますよ。
今回お伝えしたヒントが役に立つことを願っています。
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