· 

魔法のランプ

 

あなたが海岸を歩いていると、古ぼけたランプを発見しました。

「まさか、魔法のランプ!?」

そう思ったあなたは、半信半疑ではあるもののランプの汚れを落としてみます。

するとあら不思議。

ランプの中から煙りとともに、ランプの魔神が飛び出してきました。

 

「俺を起こしてくれたのはお前か? その礼としてお前が思ったことはなんでも叶う力を与えてやろう」

とランプの魔神は言いました。

 

そこであなたは

「願い事は3つじゃないの?」

と質問をしました。

 

3つじゃない。1つだけだ。願い事を選ぶこともできない。ただし、お前が思ったことが何でも叶うという力だから願い事は無限だ」

 

魔神は答えます。

 

「宝くじで一等を願えば一等が当たるし、歌手としてデビューしたいと思ったならそれも叶う。若返りたいと思えば、若返ることだってできる。どんなことでも思ったことが全て実現する力だ。お前がいま選ぶのは、この力を受け取るか受け取らないか、それだけだ」

「いつまでに決めればいい?」

「納得いくまで考えればいいさ。俺には時間なんていくらでもあるからな。ただお前の時間は限られているから、早めに決めるほうがいいだろうけどな」

 

ここであなたは考えることになります。

「思ったことが全て叶う力」

これを受け取るかどうか。

さて、あなたは受け取りますか?

 

 

考えてみよう

 

思ったことが全て実現する。

一見すると夢のような力ですが、実はこの力は恐ろしいものでもあるんです。

 

魔神は「思ったことが全て実現する」としか説明していません。

ということは、思ったことが自動的に実現するということなんです。

思ったものの中から叶えたいことを選ぶことができないということです。

 

そうなったとき、この力の本当の脅威に気付くのではないでしょうか。

 

もしもあなたが会社で嫌なことがあったとき

「あのクソ上司なんか死ねばいいのに」

と一瞬でも思ってしまったのなら、上司が死んでしまうんです。

 

ほんの一瞬思っただけで、その願いが実現してしまうんです。

こんなに恐ろしいことは無いと思います。

 

今までは思うだけなので安全だったものが、思っただけで実現するとなると恐怖でしかありません。

いくら上司が嫌いだと言っても、実際に命を奪うほどかと言えばそうそうないでしょう。

でもそれが、ほんの一瞬の思いだけで実現してしまうんです。

 

もちろん願ったことは何でも叶うので、リセットすることはできるでしょう。

そうだとしても不意に思ったことに気付けなかったとしたら、リセットすることもできません。

 

世界がめちゃくちゃになってしまう可能性があるんです。

 

 

身口意の業

 

あなたは「身口意の業」という仏教用語をご存じでしょうか?

簡単に言葉の意味をお伝えすると

 

心で思っていることは、ふとした瞬間に言葉となってでてしまう。

常に言っていることは、ふとした瞬間に行動となってでてしまう。

 

という意味なんです。

 

もしもあなたが常日頃から上司のことを気に食わないと思っていたのなら、お酒が入ったときについ愚痴としてぶちまけてしまったりするんです。

そしてお酒が入っていないときでも

「いつかぶん殴ってやる」

と言い続けていたとしたら

 

なにか決定的なことが起きたときに、実際に上司を殴ってしまうということが起きてしまう、ということです。

 

よく

「思っているだけなら大丈夫」

と言われたりしますが、実は思っていることそのものが、最終的に行動として実現してしまう可能性があるんです。

 

 

何を思うのか

 

ここまでネガティブなことにスポットを当ててきたので、思うことは悪いことだというイメージを持たれてしまったかもしれません。

ですがそんなことはなくて、もしもポジティブなことを思い続けていたとしたら、やがてそれが言葉となって出てきて、最終的には行動になります。

 

つまり「何を思うのか」が大切になるということなんですね。

 

自分の心に何を宿すかで、現実が決まってしまいます。

だとするのなら、良いもので心を満たした方がお得だと思いませんか?

 

普段の生活のなかで、ポジティブな思いとネガティブな思い、どちらの方が多いかをカウントしてみるのも面白いかもしれません。

もしもネガティブな思いのほうが多いようでしたら、意識してポジティブことを思ってみるだけでも気持ちが違ってきます。

 

少しでもポジティブなことを思ってみようかなと、思って貰えたのならとても嬉しいです。

 

 

 

ちなみに僕の場合ですが、ポジティブなことを思うというよりも感謝することを心掛けています。

例えば体調を崩してしまったときでも

「日頃の健康のありがたさに気付けました」

と感謝をすると、苦しさも少し和らいだりするんです。

 

嫌なことがあっても

「こんなことがあると人は嫌な気持ちになることがわかりました」

と感謝をしてみるんです。

 

それを積み重ねていくことで、自分から人に嫌なことをすることがなくなっていきますよ。

 

毒を吐き出せばめぐり巡って自分に返ってきます。

自分から吐き出す毒をなくしてしまえば、やってくる毒もその分だけ減るので、結果的に過ごしやすくなります。

おすすめですよ。