人見知りの人の小さいけど切実な悩み

 

先日、ある交流会に参加したのですが、テーブルで一緒になった方が

「人見知りなんです」

と悩みを話してくれました。

しかも偶然にも、同じテーブルに人見知りの人がもう一人いらっしゃるという、なんとも奇妙な巡り合わせだったんですね。

 

そこで色々な話が出たのですが、なかでも

「なるほどな~」

と感じることがあったので、今回は人見知りの人の小さいけど切実な悩みについてシェアしたいと思います。

 

 

切実な悩み

 

その方は、少年サッカーの監督をボランティアでしています。

少年サッカーのクラブは近所の小学生の子どもが入っていて、持ち回りで経験のある保護者が監督をしていました。

 

クラブのメンバーは近所の子どもなので、近所を歩いているとばったり出くわすことがあるそうです。

そんなとき、気の利いた言葉が出てこずに、いつも苦い思いをしてしまうといったものでした。

 

挨拶を交わした後にとっさに言葉が出ないので、お互いに気まずい空気が流れてしまい

「ま、まぁ、がんばれよ…」

といった、何の意味もない言葉しか言えないことに悩んでいたんです。

 

小さいことではあるのですが、本人にとってはかなりのストレスみたいで、子どもが道の先にいるとわかったときは、遠回りになることを承知で脇道に入るそうです。

 

そこまでストレスになっているというのは、切実な悩みと言っていいでしょう。

 

その話しをしていると、もう一人の方も

「めちゃくちゃわかる」

と、その話しに深く共感をしていました。

 

その方も、近所の人と道で出くわしたときに、どう対応するのが正解か分からず、どうしても挙動不審になってしまうそうです。

 

交流会だったのですが急遽、カウンセリングのような場になってしまいました()

 

 

共通の思い込み

 

そこでお二人の話をじっくり聴いていると、ある共通の思い込みがあることがわかりました。

その思い込みというのが

「何か気の利いたことを言わなきゃいけない」

というものです。

 

どうしてこの思い込みを持っているかというと、コミュニケーションが上手い人は立ち話でもにこやかに話しているのをみて、憧れを持っていたんですね。

そして憧れだけでなく、あんなふうに話したほうがいいと、考えていたんです。

 

そのため自分に高いハードルを設定してしまったことで、顔見知りの人と出くわしたときにものすごく疲れてしまう状態でした。

 

確かに、顔見知りの人と道で出くわしたとき、スマートに声をかけて話せるのは素晴らしいことだと思います。

でもそれが全てのコミュニケーションの正解ではないんですよね。

 

ですがそのお二人は、そういったコミュニケーションが大人として相応しい姿だと思っていたのです。

 

 

言葉が詰まる理由

 

そこでお二人から、どうすれば道で会ったときに気持ち良く話せるようになるのですかと、質問を受けたんですね。

 

さて僕はそこでなんと答えたのか、少し考えてみてくださいね。

 

 

 

 

 

 

まず僕が答えたのは、うまく言葉が出ない理由についてお伝えしました。

その理由というのが

「話すことがないから」

というものです。

 

道でばったり出くわした相手ですから、話すことなんてそもそも無いわけです。

にもかかわらず話そうとしても、言葉なんて出てこないんです。

もともと伝えたい情報がないから、そうなって当たり前なんですね。

 

つまり

話せなくて当たり前の状況に悩んでいたんです。

 

お二人に改めて

「そこで話す必要はあるんですか?」

と尋ねると、声を揃えて「ありません」と答えてくれました。

そうなんです。

話すことが無いのなら話す必要なんてないんですよ。

 

道端で顔見知りとすれ違ったときに必要なのは、会話ではなく挨拶なんです。

無理に話そうとするからギクシャクしてしまうんですね。

 

そのことをお伝えするとお二人とも

「たしかに!話す必要ないのに、なんで話そうとしてたんだろう?」

と納得して頂けました。

 

 

無理に会話する必要はない

 

コミュニケーションと聞くと、会話をしなくちゃいけないと思いがちですが、会話をしないこともコミュニケーションなんですね。

 

会話をする必要がない場面であれば、会話をしないことが最高のコミュニケーションになるんです。

 

コミュニケーションは情報と感情のやり取りを行う手段ではありますが、コミュニケーションの本質は

「互いに心地よく過ごすこと」

なんですね。

 

となったとき、ギクシャクした会話をしてしまうと、その本質から外れてしまうんです。

話すだけがコミュニケーションではないんですね。

 

それでも少しくらいは、一言いいたいとリクエストがありました。

そこでお伝えしたことは

「挨拶+一言のフレーズを事前に考えておく」

ということです。

 

その場で考えると焦ってしまってうまく言葉がでてきませんが、自分なりの定型文を持っていれば考えなくてもパッと言葉にすることができます。

そのとき立ち止まらないように注意してもらうようにしました。

 

立ち止まってしまうと、会話を続けなきゃいけない舞台が整ってしまいます。

それ以上話すことがないのなら、立ち止まらずに挨拶を交わすだけで十分なんですね。

 

一番しちゃいけないのが、気付いてるのに無視をすること。

これは相手への印象が悪くなるので、そこは注意してくださいね。

 

 

 

 

ということで今回は、人見知りの方の小さいけれど切実な悩みについてお伝えしました。

実はこの話しを聴きながら、僕自身が人見知りだったときのことを思い出していたんですね。

僕もまったく同じストレスを抱えていたなと、昔の自分が懐かしくなりました。

 

僕がそうだったように、コミュニケーション力は練習すればなんとでもなるものなんですね。

変に悩み続けるのではなく、改善に取り組んだほうが手っ取り早いし気持ちが楽になります。

 

あなたもコミュニケーション力をなんとかしたいと思うのでしたら、ぜひ下にあるメールボタンからご相談くださいね。