日常生活を送っているなかで、想定していなかったことが起こるとパニックになってしまいますよね。
そのとき思考停止してしまって、何も考えることができなくなってしまったりします。
その一方で、どんな場面であっても冷静に対処できる人もいます。
どうしてこの差が生まれてしまうのでしょうか?
今回は脳が混乱してしまう理由と、冷静に対処するためのコツについてご紹介します。
脳は未来予測する
脳が現実を認識し理解するために、無意識的にあらかじめこのようになると常に予測している、という研究結果があります。
実際に脳の活動をモニタリングしていると、人が何か行動をする前から脳は活性を始め、その後に行動が生まれることがわかっています。
その事前活性のときに
・何をするか
・どうなるか
を計算していると考えられているんです。
例えば腕をまっすぐ前に伸ばすという行動を取ろうとしたとします。
すると脳の中では、腕を伸ばしたときの筋肉の状態や、姿勢が計算されてイメージが出来上がります。
その後でイメージと重なるように身体を動かすといった処理が行われているんです。
つまり何かをするときに脳は常に、未来をイメージしてそのイメージ通りになるように行動をする、といった情報処理を行っているんです。
脳は基本的に未来予測をして、そのイメージ通りになると信じ込んでいます。
そうでなければ行動を起こすことなんてできないからです。
脳の中でイメージが出来上がったとしても、そのイメージ通りにならないかもしれないと、脳がイメージを疑ってしまうと、改めて計算をしなおして別のイメージを作ろうとします。
次に生まれたイメージにも疑いを持ってしまうと、また別のイメージを生み出そうとします。
つまりイメージを疑い続けてしまうと、そのイメージを確定することができないため、いつまでたっても行動に移せなくなってしまうんです。
混乱の原因
このように脳は現実より先行してイメージを生み出しているわけですが、そのせいで混乱が生まれることになってしまうんです。
簡単にいうと、現実がイメージ通りにならなかったときに、脳は現実とイメージのズレに困惑してしまうんです。
そのズレが小さいのであればそれほど混乱することはないのですが、ズレが大きければ大きいほど脳は目の前の現実を認識できなくなってしまいます。
そして脳は理解できないことに恐怖を感じるようにできているため、思考の萎縮が生まれてしまいパニックを起こしてしまうんです。
ドッキリ番組なんかで、誕生日ケーキのろうそくの火を消そうとしたとたんに、ケーキが爆発するといった仕掛けがあったりしますよね。
そのドッキリを受けた直後って大抵の場合で、固まってしまっていると思います。
それは脳がイメージしていた現実と大きくズレた現実が現れてしまったことで、思考が追いつかずに必死になって計算しているため、全ての行動がストップしてしまっているんです。
つまり、混乱の原因はイメージと現実のズレの大きさといえるわけです。
混乱する人と冷静な人の差
同じドッキリを受けても、すぐに反応できる人もいれば、混乱し続けて固まり続ける人がいますよね。
どうしてこのような差が生まれるかというと、意識の方向をどちらに向けるかで決まるんです。
混乱が長い人は、自分のイメージに意識を向けているため、それと違う現実をなかなか受け入れることができません。
その一方で、すぐさま状況を理解する人は、意識をイメージではなく目の前の現実に向けているんです。
それまで持っていたイメージをすぐさま捨て去って、現実にのみ意識をむけて理解しようとしているんですね。
仕事なんかでミスが起きてしまったとき、パニックになっている人は
「こんなはずじゃなかったのに!」
と、イメージにばかり向き合ってしまうことで、現実を拒絶してしまっているからなんです。
ですが冷静な人は自分のイメージが間違っていたとすぐさま判断して、実際に起きている現実に目を向けることができているんです。
そのため冷静な人ほど、実際に何が起きているかの情報収集をすぐさま始めるんです。
言い換えると、パニックになりやすい人は過去を見続けていて、冷静な人は今に目を向けることができる人となるわけです。
たしかに想定外の出来事が起こると混乱してしまいますが、もう起きてしまったことなので今に意識を向けるしかないんですよね。
このような脳の仕組みを知っていると、冷静さを保つには今に集中すればいいとわかるので、パニックからいち早く抜け出すことができますよ。
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