仕事仲間でも友人でも家族でも、どうしても相手に注意をしなきゃいけないときってありますよね。
これは生きている限り、避けることのできないことです。
ですが思いやりのある人は、注意するの苦手だったりするんですよね。
ということで今回は、相手を不快させない建設的な注意のしかたについてご紹介します。
注意の種類
一口に「注意」といっても、建設的なものとそうでないものがあります。
建設的でない注意には、相手に対する敵意や侮蔑の色が入っていたりするんですね。
それが相手にも伝わり、注意することで互いの関係が険悪になってしまったりするんです。
どうして敵意や侮蔑の色が入ってしまうかというと、注意したくなるときというのは、相手の行動がネガティブなものに見えているからなんです。
するとそれを見ている側は、ネガティブな感情になり、その感情が言葉として相手に届けられてしまうんですね。
このような理由から注意をするとき、相手に対する敵意が含まれてしまうんです。
その一方で建設的な注意には、相手に対する敵意や侮蔑は含まれていないんです。
自分の嫌な気持ちを紛らわすための注意ではなく、相手が少しでも良くなるために届ける注意になるので、受け取った相手もネガティブな気持ちにならずに済むのです。
このように注意には相手を不快にさせるものと、相手に気付きを与えるものがあるのです。
建設的な注意のしかた
相手に気付きを促す建設的な注意のしかたですが、それほど難しいことではありません。
・ポイントを絞る
・自分に焦点を当てる
・メリットを伝える
この3つのポイントを意識することで、誰でも簡単に建設的な注意ができるようになります。
それぞれを詳しくみていきましょう。
・ポイントを絞る
例えば、提出したレポートに不備があったとき
「君の出したレポートだけど、データが間違っている」
と伝えてしまうと、レポート全体が価値のないものだという印象を相手に与えてしまいます。
これでは相手がレポートを作ってくれた行為そのものを否定しているように、相手に伝わってしまいます。
次のように言い換えてみるとどうでしょうか。
「君のレポートはよく出来ているよ。だけど、ここのデータだけもう一度確認してみたらどうかな」
このように伝えると、レポート全体が悪いのではなく、レポートのなかのデータだけに問題があると感じるようになるのです。
全てを否定されると受けるダメージは大きいのですが、一部だけであれば受けるダメージも少なくなります。
このようにポイントを絞ることで、相手に与えるストレスを最小に抑えることができるのです。
・自分に焦点を当てる
例えば、相手の説明がよくわからなかったとき
「何を言いたいのかわからない」
と伝えてしまうと、相手の説明のしかたが悪いと完全に批判していますよね。これでは相手を萎縮させるだけです。
これは相手に焦点を当てた注意のしかたになってしまっているんです。
自分に焦点を当ててみると
「もっと詳しく理解したいから、もう一度説明してくれるかな?」
となります。
この言い方はあくまでも「自分が理解できなかった」というニュアンスになるので、相手を責めているという感じが和らぎます。相手を萎縮させることもありません。
ですが自分の説明のしかたが悪かったことは伝わるので、次にしてくれる説明はさらにわかりやすいものになるんです。
・メリットを伝える
例えば、相手で仕事に時間をかけすぎているとき
「仕事のペースを上げろ」
と伝えるだけでは、単純に仕事が遅いとバカにされているようにしか感じません。
これでもっと早く仕事を終わらせようとはならないですよね。
ここにメリットを付け加えてみると
「早く仕事を終わらせることができれば、いまよりももっとやり甲斐があって、満足できるプロジェクトに採用してもらえるよ」
となります。
もちろん相手がもっとやり甲斐のある仕事をしたいと思っていることが前提ですが、相手にとってのメリットを付け加えることで相手にとってもプラスになるのです。
このような注意のしかたをするだけで、批判的にならずに建設的に注意を促すことができるようになります。
さらにここで大切になってくるのが、注意をするあなた自身が模範となっているかということなんです。
あなた自身が注意したことを行えていなければ、相手から見下されてしまうので注意してください。
自分のことを棚上げして人に注意するようなことだけは、しないようにしてくださいね。
相手を不快にさせない
建設的に注意をするには、相手を不快にさせないことがなにより大切になります。
さきほどお伝えした3つのポイントも、相手を不快にさせないための工夫といえます。
あなたもそうだと思いますが、誰だって人から不快な言葉を投げかけられたくはないですよね。
もしも、不快な言葉を投げかけられたとしたら、その言葉を受け取ることもしないはずです。
注意は相手が受け取ってくれてはじめて、意味のあるものになります。
相手が受け取りやすいように工夫することは、注意する側の責任でもあるのです。
そのためには注意をする側がネガティブな感情に支配されていないことが、なにより大切になります。
感情は人に感染するので、注意をする側がイライラしていると、注意を受けた側もイライラしてしまうんです。
その逆に、注意をする側が
「これが改善されれば、もっと良くなるだろうな」
とワクワクした気持ちを持っているのなら、相手にもその気持ちがうつって前向きな気持ちで注意を受け取ってくれるようになります。
注意というのは、自分のイライラをぶつけることでもなく、相手をこき下ろすことでもなく、相手に成長の切っ掛けを与えるものなんです。
だからこそ相手が受け取りやすい形にしてあげることが大切なんですね。
せっかくの成長の機会なのに、それを受け取ってくれなかったらもったいないですよね。
こういった気持ちで注意をすると、注意する側もされる側も、気持ち良く行えるようになりますよ。
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