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間違った気持ちの伝え方

 

こんなにサインを出しているのに、どうして私の気持ちを分かってくれないの?

身近な人の鈍感さにイライラすることってありませんか?

ですがそのサインの出し方が間違っていたとしたらどうでしょう?

 

日本人はとくに「空気を読む」ことが得意だし、それが大切だと思っています。

そのような心遣いができるからこそ「おもてなし」文化もうまれました。

 

ですが本当に相手が何を思っているかを正しく理解できているのでしょうか?

もしも全員が相手の気持ちを正しく理解できているのなら、人間関係のいざこざなんて起きていないはずです。

でも現実はそうではありませんよね。

 

ということで今回は、ネガティブな気持ちの伝え方についてお伝えしたいと思います。

 

 

まずは簡単なテスト

 

 

次の写真の女性は何を考えてると思いますか?

少し物憂げな表情を浮かべていますよね。

一体、何があったのでしょうか。

気になるところです。

 

いかがですか?

この女性が何を考えているか、なんとなく伝わってきたでしょうか?

 

 

では正解を発表するのですが、この正解はあくまでもこの写真の「タイトル」となります。

この写真を撮影するときモデルさんに、こういった感じにしてくださいと指示があったのだと思います。

 

正解は

「のどの違和感で不安な表情になる女性」

でした。

 

どうですか?

正解しました?

もし正解したのであれば、空気を読む力が優れているのだと思います。

 

ですがほとんどの人は不正解だったのではないでしょうか。

確かに喉に手をやってはいますが「のどの違和感」とはなかなか認識できないですよね。

 

そうなんです。

見た感じだけでは、相手がなにを思っているかは伝わらないのです。

 

 

間違った伝え方

 

自分がどんな気分なのか、どんな状態なのかを伝えようとするとき、多くの人が間違った伝え方をしてしまっているんです。

間違った伝え方なので、相手に伝わらないし、たとえ相手が何かを受け取ったとしても、さきほどの写真のように間違って受け取るかもしれません。

 

ではどんな伝え方をしているかというと

自分の気持ちを態度で伝えようとしている

のです。

 

例えば

・大きなため息をつく

・声をかけられても反応しない

・モノやドアを乱暴に扱う

・相手と目を合わせない

・時計を見る

などなど

 

日本人のコミュニケーションでは、空気を読むことが当たり前なので、その空気を作り出すことで相手にわかってもらおうとするんです。

言葉にして伝えようとしないんですね。

 

結果的に相手の察しが悪いときは、何一つ気持ちが伝わらなくなってしまうのです。

 

 

なぜ言葉で伝えないのか?

 

言葉で伝えたら手っ取り早いのに、どうして言葉で伝えようとしないのでしょうか?

「奥ゆかしさが日本人の美徳だから」

たしかにそういった理由もあるでしょう。

 

そのような感性がなければ、俳句のような短い言葉で世界を表現する芸術は生まれなかったかもしれません。

 

ですが美徳だから言葉にしないというのは、違う感じがします。

本当に美徳を重んじるのであれば、気持ちを態度に出して相手を不快にさせないのではないでしょうか。

 

では言葉で伝えない理由はいったいなにか?

それは「責任を持ちたくない」という気持ちによるものが大きいと言えます。

 

気持ちを言葉にしたとたんに、その場の空気が変わります。

その責任を持つのが怖いんですね。

なんとなくの空気感というのは、そこにいる人全員で作られているものなので、一人で責任を取ることはありません。

 

ですが自分が気持ちを言葉にして、その場の空気が変わったのなら、その責任は自分がとらなきゃいけないんです。

 

ネガティブな気持ちを言葉にしてしまうと、その気持ちを解消するためには周りの人に協力を求めるしかありません。

周りの人が協力的であればいいのですが、必ず協力的とは限りませんよね。

 

そうなるとその場の空気を作った自分でなんとかしなくちゃいけなくなります。

でもどうすることもできません。

窮地に追い込まれることになってしまいます。

 

そういった責任を取るのが怖いので、気持ちを言葉で伝えることができないのです。

 

 

言葉で伝えるためには

 

気持ちを言葉に伝える方法ですが、簡単に言うとネガティブな気持ちがまだ小さいうちに伝えるというものです。

 

ほとんどの人はネガティブな気持ちが小さいうちは

「これくらいまあ、我慢すればいいか」

と、寛容でいられるのですが、小さなストレスが蓄積されてしまうと、我慢することにも限界がやってきます。

 

そうなると自分の気持ちを冷静に言葉にすることなんてできません。

気持ちが爆発して、自分が自分でなくなったように荒れ狂うだけです。

お互いの関係は崩れてしまって、後悔の日々を過ごすことになってしまいます。

 

そうならないためにも、小さなネガティブな気持ちを感じたのなら、すぐさま穏やかにそのまま伝えればいいだけなんです。

 

例えば提出書類の〆切りを過ぎてから出してきたときは

「次は期限を守ってね、そうしないと作業を進められないから」

とリクエストだけで十分だったります。

 

ネガティブな気持ちの針もそこまで振れていないので、口調も穏やかでいられるんですね。

次に期限通りに提出してくれたときは

「期限を守ってくれてありがとう」

と伝えてあげれば、相手も気分良くなれます。

 

その他にも相手から言われたことで不愉快に感じたのなら

「いまのは、さすがに傷つくわ~」

と軽い口調で伝えてみましょう。

 

たとえ冗談っぽく言ったとしても、相手にはその気持ちが伝わります。

それでもしつこく言ってくるようなら、一瞬だけ本気のトーンで

「ほんとうに嫌だから」

と、空気をピリつかせて

「って、びっくりした?」

と、空気を和らげるようにするのが効果的です。

 

張り詰めた空気が長引けば長引くほど、互いに引くに引けなくなるので、そうならないようにだけ注意してくださいね。

張り詰めた空気は一瞬だけで十分なんです。

 

 

 

気持ちを伝えるというのは、日本人にとってはハードルの高いコミュニケーションかもしれません。

ですが我慢をすればするほど、つらい現実がやってきてしまいます。

 

まだ小さいうちに対処することで、ストレスも軽くなります。

ネガティブな気持ちが大きくなる前に、うまく対処するようにしてくださいね。