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自己防衛型上司との付き合い方

 

以前のブログ記事「かみ合わない会話の正体」で紹介した「自己防衛」ですが、メルマガ読者の方から

「上司が自己防衛型の場合どうしたらいいのでしょうか?」

というご質問を頂きました。

 

職場での人間関係は、業務の円滑さや自分のメンタルヘルスに大きな影響を与えます。

その中でも、自己防衛型の上司との関係は特に厄介です。

今回は、自己防衛型上司の定義を踏まえながら、その対処法について詳しくお伝えします。

 

 

自己防衛型上司とは?

 

自己防衛型上司とは、責任を回避し、自分以外に責任を押しつけることで自身を守ろうとする人のことです。

このタイプの上司は、ミスや問題が発生した際に、自分の非を認めず、他人や環境のせいにする傾向があります。

そのため、部下は強いストレスを感じ、職場の雰囲気も悪化しやすくなります。

 

自己防衛型上司の具体例としては以下のような行動が挙げられます

・ミスをした際に、自分のミスを認めず部下に責任転嫁する。

・問題が発生した際に、原因を他の部署や外部環境のせいにする。

・部下の意見や提案を否定し、自分の意見を押し通す。

 

このようなことをされてしまうと部下は、火の粉が掛からないか気が気ではありません。

これではいかに目立たないようにするかが、主目的となってしまいます。

 

そもそもの話として自己防衛型の上司を作り出した会社が悪いので、部下は被害者と言えるでしょう。

とはいえ、なってしまったものは仕方ないので、対処法を身につけておいて損はありません。

 

 

事前対策

 

自己防衛が発動する前に自分自身で行える準備について紹介します。

このような準備をしておくと、いざ自己防衛が発動したときにストレスを最小に抑えることができます。

 

1:特性の理解

自己防衛型上司は基本的にプレッシャーに弱いと言えます。

そのため、失敗や問題が起きたとき自分の立場を守るために他人を責めて、上司自身の評価を保とうとします。

つまりあなたのことを心から悪いと思って責めるのではなく、自分を守るために責めているだけです。

このような心の動きを理解しておくことで、客観的に対処することができます。

 

2:境界線を設定する

自分の役割と責任の範囲を明確にして、それを上司に伝えます。

責任の範囲を曖昧にしてしまうと、後から上司に線の位置を勝手に設定されてしまいます。

このように線引きを明確にしておくと、上司はあなたのことを「一筋縄にいかない」と認識するようになります。

そうなればしめたもの。

そう思わせれば思わせるほど、上司はあなたに手出ししなくなります。

また仕事で成果を出してさえいれば、このタイプの上司は文句を言ってこないので気持ち良く仕事に取り組めるようになります。

 

3:サポーターを作っておく

自己防衛が起きる前に、根回しをしておきましょう。

このプロジェクトはこのような経緯で動いているなど、その状況を同僚や他の関係部署の人と共有しておきます。

外堀を埋めておけば、たとえ自己防衛が発動したとしても周囲の人があなたを守ってくれるようになります。

そういったサポーターがいると実感できることで、ストレスを分散することができます。

 

 

自己防衛が発動したら

 

どれだけ事前準備をしていたとして、上司の自己防衛を止めることはできません。

何か問題が起こると反射的に自己防衛が発動します。

そんなときにどのように対処すれば、ストレスを予防できるかをお伝えします。

 

1:目標の明確化

自己防衛型上司は目の前の問題にばかり目が向く傾向があります。

目の前の問題は起きてしまったことですから、その責任をとやかく問いただしたところで問題が解決することはありません。

そうではなく「どうすればいいか」に集中することです。

そうすることで上司からの追撃を封じることができます。

 

2:事実に基づく会話

自己防衛型の上司は問題が起こるとなぜか憶測で責めてくることが多いと言えます。

なぜなら、自分にとって都合のいいストーリーをでっち上げることで、責任は自分にないと主張しようとするからです。

そこで強力な盾になるのが「事実」です。

具体的なデータや事実、取り決めを提示することで、上司の責任転嫁を避けることができます。

このとき事前準備で紹介した「責任の境界線」を作っておけば、心強い切り札になります。

 

3:客観的に捉える

自己防衛型上司の言動は基本的に、自分を守るためだけのものです。

つまり上司の行動はあなた個人に対することではなく、上司自身の問題でしかありません。

「また言ってる」

くらいに、軽くいなすようにしておくことで、気持ちを落ち着かせることができます。

真剣に受け答えしないことが大切となります。

 

4:問題提起の準備

上司の態度が改善されない場合、仕事の効率にも影響がでてしまいます。

日頃からどのようなことが起きているのか、明確に記録を取っておきましょう。

いよいよ業務に支障がでるレベルになってきたときは、それらの証拠を使って上司の上司や人事部に相談することも検討しましょう。

問題が深刻化する前に、何ができるかを準備しておくことも自分を守ることになります。

 

 

 

自己防衛型の上司との付き合い方は骨の折れるものですが、適切な対策を取ることでストレスをある程度軽減することができます。

自己防衛型の上司は基本的に、人間的な器が小さい人です。

小バエが唸っているようなもの。

うっとうしい存在ではありますが、振り払うこともできます。

 

今回お伝えした方法を参考にして頂ければ幸いです。