大前提として、苦しい状態にいる人が救われるのなら、どんな手段を使ってもいいと僕は考えています。
もちろんのことながら違法薬物や人を傷つけるといった、法律に違反するような手段はもっての他ではあります。
そんな手段の一つに「スピリチュアル」があります。
僕はスピリチュアルを否定はしていません。
独特の雰囲気を作りだすことで、意識をプラスの方向に向けることもできます。
それで苦しんでいる人が少しでも救われるのなら、大いに活用して欲しいんですね。
なのですが最近、動画なんかを観ていると
「それは違うだろ」
と思うことを話している人が複数いるので、注意喚起として書かせていただきました。
危ないスピリチュアル
スピリチュアル界隈では「宇宙」という言葉が多用されます。
これは「世界」という意味合いがあるのですが、それはとくに問題はありません。
ただ、非常にまずいメッセージを伝えている人がチラホラ散見されるのです。
ではどのようなメッセージを伝えているかというと
「あなたは、あなたのままでいいんです。あなたの全てを受け入れて、ただ願うだけで、宇宙があなたの願望を叶えてくれます。宇宙は自分を否定している人には、力を貸してくれません。ですが、ありのままの自分を受け入れている人には、宇宙は手を差し伸べてくれるのです」
といったようなもの。
このメッセージのタチの悪いところは、ところどころに正しいことが含まれている点です。
正しい点をお伝えすると
「ありのままの自分を受け入れる」ということは、自己変容を行う上でとても大切なステップとなります。
自分を受け入れられないままだと、自分のなかに自己否定が生まれてしまいます。
それを克服するために色々な努力を重ねても
「○○を克服するために、△△をする」
といった比較が残り続けるので、自分の欠点がさらに色濃くなっていくだけなんです。
なのでまずは自分をまるごと受け入れて、自己否定を消してしまうことが大切になります。
否定する部分がなければ、自分を他者と比較する必要もありませんので、他人の目を気にすること無く「自分らしく」振る舞えるようになるんです。
そして次に危険なメッセージについてですが
「願うだけで宇宙があなたの願望を叶えてくれます」
というもの。
人は基本的に「楽」をしたい生き物です。
なので「願うだけでいい」のなら、何もしなくていいのでこの上なく「楽」となります。
それに飛びついてしまうと、人生は破滅へまっしぐらとなってしまいます。
世界のルール
この世界は実にシンプルに出来ていて、あるルールに基づいて動いています。
それが「因果の法則」と呼ばれるもの。
簡単にいうと
「何かをするから、何らかの結果がでる」
となります。
例えば、手を叩くと音が出ますよね。これは「手を叩く」ということをするから、「音が出来る」という結果が生まれたわけです。
何を当たり前のことを言ってるんだと感じるかもしれませんが、危ないスピリチュアルを信じる人は、この当たり前を見失ってしまうんです。
「願うだけで叶う」という言葉を信じる人は、ひたすら願い続けるだけなんですね。
しかもその願い方は
「こうなるといいな」
とった文脈で思い続けているんです。
この文脈の意味は
「誰かが私の願いを叶えてくれたらいいな」
なんです。
つまりこの世界のルールである「何かをする」ことなく、結果だけを手に入れようとしてしまうんですね。
それで願いが叶うことなんて、有り得ないのです。
叶えたいことがあるのなら行動あるのみ
どんな願いであっても、それを明確に持つことは大切なことです。
「自分の未来はこうなる」という明確な思いがなければ、向かう先を見定めることができません。
コーチング的な表現を使えば「ゴール」が見当たらない状態となります。
どこにゴールがあるか分からないのに、自信をもって進むことなんてできませんよね。
願望は自分にとって、とある段階におけるゴールとなります。
そこがあるからこそ、迷うことなく突き進むことができるんです。
そして願いは「誰かが叶えてくれるもの」ではありません。
自分の願いは「自分で叶えるもの」なんです。
もちろんその願いが社会的に価値のあるものであれば、その志に共感してくれた人が手助けしてくれることもあります。
でもそれは「誰かが叶えてくれた」わけではありません。
あなたが(因)自分から動き出したことで、それをみた人が(果)協力してくれたのです。
全てはあなたの行動から生まれた結果なんですね。
行動をしても思っていた結果にならない場合もあります。
そんなときは「何がまずかったのか」を考えればいいだけなんです。
能力が無いからうまくいかないのではなく、やり方がまずかっただけなんですね。
やり方さえ正しければ、結果は自ずとついてきます。
結果の原因を自分の能力に帰属させるのではなく、その方法に帰属させるようにすると、次の挑戦も怖くありませんよ。
ということで、最近やたらと目にする「エセスピリチュアル」の注意喚起として、ブログを書かせていただきました。
とはいえ、このブログやメルマガを読んで下さっている方は、こんな「エセスピリチュアル」に引っかかることは無いと思います。
そんな世界もあるんだなと、知見を広める意味で読んでいただければ幸いです。
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