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かみ合わない会話の原因とは?

 

人と話しているとき、この人とは話しがかみ合わないと感じることはありませんか?

相手の言葉はちゃんと理解できるのですが、話していると気持ち悪さを感じてしまう…。

 

そうなると相手の人との会話が楽しく思えずに、会話そのものが苦痛になってしまったりします。

 

本当は楽しく話したいのに、なぜかうまく話すことができない。

どうしてそんな感覚が生まれてしまうのか、その気持ち悪さの正体について、解説していきたいと思います。

 

 

「ズレ」があると気持ち悪い

 

相手と気持ち良い会話をするためには、3つの要素を相手と合わせることが大切と言われています。

その3つのうち1つでもズレてしまうと、気持ち良い会話ができなくなってしまって、言葉に詰まることになってしまいます。

 

そうなると、なんて言えばいいか毎回悩むことになります。

言う言葉に悩むなんて、楽しい会話とは言えませんよね。

 

では何がズレてしまうと、話しの流れが悪くなってしまうのでしょうか。

その3つの要素というのは

・内容

・感情

・ペース

3つです。

 

心地よい会話はこの3つの要素を無意識的に相手と合わせながら、言葉を交わしているのです。

ですが話しがかみ合わないと感じるときは、この3つの要素のどれか、もしくは全てがズレいるといえます。

 

その場合、日本語としては理解できるのですが、相手が何を言っているのかまったく分からなくなってしまうのです。

 

ではそれぞれの要素がズレると、どんな気持ち悪さが生まれるのか、詳しくみていきましょう。

 

 

「内容」がズレると…

 

まずは話している内容がズレると、かなり気持ち悪いことになってしまいます。

 

例えば、部長の要求が厳しすぎるために、部下が疲弊していたとします。

同じ上司をもつ同僚の3人が、居酒屋で愚痴を話している場面を想像してください。

 

A「それにしても、部長のあの態度はないよな」

B「それ、俺も思った。さすがに引いた」

A「吉田さん、あのあと泣いてたからな」

B「マジで? 確かにあれだけ言われたら、俺でも危ないかも」

A「だろ? もう少し思い遣りってものを持って欲しいよな」

B「わかる。そりゃ辞める人も多いよ…」

C「でもさ、目標を達成できてない俺らにも非はあると思うんだよな」

AB「…」

C「吉田さんも、言われて仕方ない面もあるし、それで泣くってのもどうかと思うんだよね」

 

AさんとBさんは「部長の態度がひどい」という内容で会話を進めていたのに、Cさんだけは「目標を達成できていないのが悪い」といった内容になっています。

まさに会話の内容がズレている状況ですよね。

こういった会話を経験したことがあるんじゃないかと思います。

 

こうなってしまうと、それまで話していたAさんもBさんも、何も言えなくなってしまいますよね。

まさに気持ち悪い会話の典型例と言えます。

 

 

「感情」がズレると…

 

感情がズレていても、話しがかみ合うことはありません。

例えば、片方は真剣に悩みを打ち明けているのに、それを聞いている人が笑って冗談ばかりを言ってしまっているような状況です。

 

真面目に話そうとしているのにその感情に合わせることなく、ふざけたような態度を取られたとしたら、会話を続けることはできません。

 

その他にも、恋人と別れて悲しんでいるときに

「あんなのと別れられて良かったよ、ほんと最低だったからね」

と、悲しんでいることに寄りそうことなく、別れて正解みたいなことを言われたら、それ以上話したくもないですよね。

 

仕事のストレスが溜まって辛いと話しをしているのに

「仕事で辛いのはあなただけじゃないんだから」と、言われたらどうでしょう?

辛いことをわかって欲しいのに、それを受け取ろうともせずに一般論で返されても、なに一つ嬉しくないですよね。

 

このようにこちらの感情とズレた会話をされると、それ以上話したくないと感じてしまうのです。

 

 

「ペース」がズレると…

 

ここでいうペースは、話す速度ではありません。

もちろん話すスピードが合わないと若干の気持ち悪さはありますが、「この人はこのペースで話す」と分かれば、それほど気にならなくなります。

 

ここでの「ペース」は会話の進み方のことを言います。

気持ちのよい会話は、話しの展開が自然でスムーズに進んでいきます。

 

例えば、とある夫婦の会話を見てみましょう。

 

「駅前に新しいイタリアンのお店ができたみたい」

「そういえば工事してたかも」

「そうそう、前に焼き鳥だったところ」

「あ~、はいはい。あそこがイタリアンになったんだ」

「店先でチラシを配ってて、オープン記念で30%オフのクーポンが付いてたよ」

「お、それは得だね」

「でしょ、期限は月末までみたい」

「まだ余裕はあるけど、忘れないようにしないとね」

「じゃあ、いつ行くか決めようよ」

 

この流れだとお互いに気持ち良く会話ができていますよね。

このペースがズレるとこのような感じになります。

 

「駅前に新しいイタリアンのお店ができたみたい」

「それ割引クーポン? 月末までか~。せっかくだし、いつならいけそう?」

 

1ターンで会話が終わってしまいました。

明らかにペースがズレてしまっていますよね。

このような会話のほうが効率がいいと感じたのなら、それは要注意です。

 

というのも会話はただ用事を伝えるだけではありません。

新しいお店の発見を共有したかったり、お得感を共有したかったりと、情報と感情を「共有」することが豊かなコミュニケーションには欠かせません。

 

手短に伝えたからといって、良いとは言えないんですね。

 

 

 

このように気持ち悪い会話になる場合は「内容」「感情」「ペース」のどれかにズレが生まれています。

おそらくこの全てのズレを経験したことがあるのではないでしょうか。

そのときどんな気持ちになったのかを、ぜひ思い出してみてください。

きっといい思い出ではないと思います。

 

だからこそあなたが会話をするときには、この3つの要素にズレがないように心掛けていただければと思います。

そうするだけで、相手の人は気持ち良い会話だと実感してくれるようになりますよ。