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不満が出たときは赤信号

 

家族・友人・職場などの人付き合いのなかで、相手から不満が出てくるときというのは、かなり危険な状態になっているんです。

 

というのも人が不満を口にするときというのは、それまでかなりの我慢をしてきて、いよいよ我慢ができなくなったときに初めて声にするんです。

きっとあなたも同じなのではないでしょうか?

 

なので相手から不満が出てから対処するのは、実は時すでに遅しなんてことになっていたりします。

とはいえ、何もしないより何かしらの対処をしたほうがいいに決まってますよね。

 

ということで今回は、不満を溜めさせないために意識することと、万が一、不満が出てしまったときの対処法についてお伝えしていきます。

 

 

小さなサインを見逃さない

 

あなたもそうだと思いますが、多少の不満や違和感があっても、すぐに声に出すようなことはしないですよね。

普段から気を遣っている関係であれば、なおさら声を飲み込むと思います。

それは、相手に迷惑をかけかたくない、関係を悪くしたくない、変なイザコザを作りたくない、といった思いがあるからなんです。

つまり、相手との関係性や、思い遣りを考慮した結果、不満をぐっと飲み込んでしまったりします。

 

とはいえ、声に出さなかったとしても、身体の反応は正直です。

表情が曇ったり、声が沈んだり、ですがそれらのサインは一瞬で消えてなくなります。

このような表情や仕草のことを「微表情」と言って、本音が漏れ出た瞬間でもあるんですね。

 

そういったサインを感じたときに

「こいつ、嫌がってるな」

と、相手にネガティブな印象を持ってしまうかもしれません。

ですがそうさせたのは、あなた自身なのかもしれないんです。

 

もしここで相手の微表情をネガティブに受け取るのではなく、フラットに受け取って

「何か気になることがあるのかな?」

と、優しく問いかけてあげれば、相手は自分の気持ちを少しずつ打ち明けてくれるかもしれません。

 

完全に相手の不満を取り除くことはできないにしても、相手が感じる不満の強さは劇的に弱くなります。

小さな不満については、寝れば消えてしまいます。

でも大きな不満はずっと残り続けるので、いつか爆発するかもしれないんです。

 

 

不満は与えてしまうもの

 

僕も含めて、どれだけ注意しながら過ごしていても、無意識で相手を不快にさせてしまうのが人間という生き物です。

こればかりはどうしようもありません。

 

というのも人それぞれ、千差万別の価値観を持っているからなんです。

自分は「良い」と思っていても、他の人は「最悪」と感じているかもしれません。

 

僕のある知り合いに、食事が楽しかったり美味しかったりすればするほど、クチャクチャ音が大きくなる人がいました。

その人にとって食べるときの音は、楽しさ・嬉しさのバロメーターなんですが、僕からすると気持ち悪くて仕方がありません。

 

どうしようもないときは諦めるのですが、そうでない場合は極力、その人との食事を避けるようにしています。

その人との食事の頻度が年に数回程度なので、まだ耐えることはできるのですが、これがもし毎日だったとしたら確実に不満が爆発していると思います。

 

このように、不満というものは自分がどれだけ気を付けていても、人それぞれの価値観の違いで生まれてしまうものなんです。

だからこそ「仕方ない」と開き直るのではなく

「自分はもしかしたら、誰かに不満を溜めさせているかもしれない」

と思うことが大切なんです。

その思いがあるからこそ、相手の微妙なサインに気付くことができるんですね。

 

 

普段のコミュニケーションが大切

 

相手に不満を溜め込ませないためには、普段からの声掛けが大切になってきます。

「最近、調子はどう?」

「何か困ってることはある?」

「手伝えることはある?」

など、積極的に声掛けをすることで、相手の気持ちを把握しやすくなります。

 

それだけでなく、相手としては「気にかけてくれている」と感じるので、二人の関係のなかに安心が生まれるようになります。

このような安心感があるからこそ、言いよどんでいることでも勇気を出して言えるようになるんですね。

 

他にも、自分の気持ちを相手に伝えることも大切だったりします。

人は何を考えているかよく分からない人には、どうしても警戒心を持ってしまうんです。

当たり前と言えば当たり前ですよね。

 

よく分からない人だと、何が地雷になっているかも分からないので、話すときは注意しながら話さなくてはいけません。

そんな状態で、心を開いたコミュニケーションなんてとれませんよね。

 

まずは自分から自己開示していくことで、オープンに話しても大丈夫なんだと思ってもらうようにすることも大切です。

 

そのような関係を作ることができれば、小さな不満の段階で声を出してくれるようになります。

不満が小さければ小さいほど、対応は楽にできます。

普段からコミュニケーションを取って、些細なことでも言えるようにしておくことで、大爆発を防ぐことができるんですね。

 

 

大きな不満が出たときは?

 

相手から不満が噴出してきたときは、真摯に向き合うことが大切です。

相手はこれまでとことん我慢し続けてきました。

だからこそ不満が噴出したときは、その溜め込んだドロドロの想いがとんでもない勢いで噴き出してきます。

その苛烈さといったら、誰も止めることができません。

 

そうなんです。

不満が爆発したときに、それを止めようとしては逆効果になってしまうんです。

もちろんぶつけられる側は大変です。

自尊心を削り取るような罵詈雑言を浴びせられるわけですから、冷静でいられないかもしれません。

 

ですが相手は、そういった不満を今のいままで必死になって我慢し続けてきたんです。

「それならそのときに言えばいいじゃないか!」

そう言いたくなる気持ちも分かります。

ですが、相手に不満を言わせないようにしていたのは自分なんです。

だから相手は我慢するしかなかったんです。

 

もしも普段から不満を受け入れる姿勢を持っていたなら、大爆発することはありません。

爆発したということは、ひとえに相手に我慢をさせた自分自身に責任があるんです。

だからこそ相手の気の済むまで、静かに相手の言い分に耳を傾ける必要があるんです。

 

ここで受け流してしまうと、相手は瞬時に聞いていないことを察知して、さらに大きな不満を爆発させることになってしまいます。

相手をこんな状態にさせたのは自分なんだと思いながら、真剣に聞くほかありません。

どれだけ罵られたとしても、感情的になってもいけません。

火に油を注ぐだけです。

 

自分の非を認めて素直に謝って、最後までしっかりと耳を傾け、どんな解決を望んでいるのかまでを聞き切るようにするしかありません。

そこでお互いに協力しながら解決策を見つけ出すことができたのなら、繋がりはさらに強いものになっていきます。

 

不満が出たときは関係改善のチャンスだと思ってください。

そう思うだけでも、受け止める強さが変わってきますよ。

 

 

 

ということで、不満が出たときはすでに赤信号ということをお伝えしました。

このようなことにならないためにも、普段からのコミュニケーションを積極的に取って、不満が小さいときに刈り取るようにしてくださいね。

 

溜め込んだものが爆発したときはとんでもない利子が付くので、ほんとに注意してください()