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フィードバックのコツ

 

前回のブログ「やり切るって面白い」に質問をいただきました。

少し自信のない内容に対してのフィードバックはハードルが高いので、ポイントがあれば教えてくださいとのこと。

 

自信のある分野であればフィードバックはとくに難しくないのですが、自信のない内容へのフィードバックって難しいですよね。

またフィードバックのタイミングも、後で送ることができるのなら、調べた上で届けることができるのですが、その場でとなると調べることもできません。

 

リアルタイムで満足度の高いフィードバックを届けるために、僕が意識していることをご紹介したいと思います。

今回の内容は有料級の情報と言っても言い過ぎではないです。

フィードバックに関する講座を開いてもいいかも^^

 

 

フィードバックとは?

 

まず始めに「フィードバック」とは何かをお伝えします。

フィードバックは相手の状況を客観的に伝えることなんです。簡単に言うと、ありのままをそのまま伝えるだけです。

そのとき、自分の先入観を交えずに伝えることが大切になります。慣れていない人はどうしても、先入観を持った伝え方になってしまうので、ここに難しさを感じる人が多かったりします。

 

そうなんです。フィードバックってありのままを伝えればいいだけなので、専門外のことであっても特に難しいことはないんですね。

 

ですがワークショップや研修、または部下への面談などで行うフィードバックについては、ただありのままを伝えるだけでいいかと言うと、そうではありません。

相手の人が納得できるような、追加の情報を伝えてあげる必要があります。

そうしないと、満足度を高めることができないんですね。

 

そこで僕が意識していることは

・形式フィードバック

・感覚フィードバック

・専門フィードバック

といった3つのカテゴリーに分けてフィードバックを届けるというものです。

 

それぞれのフィードバックはどのようなものか、ご紹介していきます。

 

 

形式フィードバック

 

フィードバックを届けるということは、課題(ワーク)に対するなにかしらのアウトプットがあります。

そのアウトプットが課題に沿ったものになっているかどうかという視点で、見るようにします。

 

人それぞれ理解度の違いや、解釈の違いがあるので、課題と逸れたアウトプットになってしまうことがあるんですね。

これはその人の能力が低いというものではなく、単純に勘違いしている場合なんかもあります。

 

その場合、相手がどのような意図でそのアウトプットをしたのかをまずは確認します。

その意図が課題意図とズレていたのなら、軌道修正してあげればいいだけです。

意図とズレていなかった場合は、そのアウトプットのどこに意図が含まれているかを確認します。

 

それを確認した上で、コチラ側が想定していなかった視点をしているとなったのなら、その視点を承認します。

その上で、従来の視点も伝えてあげることで、相手の人に新しい視点を届けることができるんですね。

 

このように、課題に沿ったものになっているかどうかという切り口で、フィードバックを行います。

 

 

感覚フィードバック

 

これが一番簡単かもしれません。

アウトプットをみて自分のなかに生まれた感覚をそのまま伝えるだけです。

 

・面白い

・興味深い

・詳細

・驚き

・わかりにくい

・わかりやすい

などなど

 

素直に感じたままを伝えるだけです。

このときに大切になってくるのが、自分の感覚に嘘をつかないということです。

わかりにくいと感じたのなら、素直にわかりにくいと伝えていいんです。

 

そこで忖度をしてしまうと、わかりにくいアウトプットのままでいいと、間違った理解をさせてしまうことになります。

これはフィードバックにおいて、もっとも避けなければならないことなんです。

 

物事に良し悪しは基本的にありませんが、課題に対する良し悪しは確実に存在します。

相手から嫌われたくないという思いから、相手に迎合してしまってはフィードバックの意味がありません。

耳の痛いことを伝える勇気を持つことも大切なんですね。

 

感覚フィードバックを届けるときには、なぜ自分がそう感じたのかという理由も合わせて届ける必要があります。

人は理由があるからこそ、その意見を受け取ってくれます。

理由を伝えずに「これは、わかりにくいですね」と伝えてしまったなら、単純に相手のアウトプットをけなしているだけです。

そうならないように、注意してくださいね。

 

 

専門フィードバック

 

ご質問いただいた方が苦手としているのが、まさにここだと思います。

専門フィードバックは何を行うかというと、相手がアウトプットしてきたものをさらに良くするためにどうすればいいか、それを伝えるフィードバックとなります。

そしてこの専門フィードバックには、2つの方式があります。

 

一つは、プラスを与えるフィードバック。

こちらのフィードバックは、相手のなかに足りないものがあったとき

「○○を追加するとさらによくなると思いませんか?」

と、専門家ならではの知識を与えることになります。

いわば、学びを与えるフィードバックとなります。

 

このフィードバックを行うには、しっかりとした知識がなければ自信をもって届けることができません。

なので前回のブログにあったように、専門外のことだった場合、このフィードバックはとても難しく感じてしまいます。

 

ですが安心してください、ちゃんと抜け道があるんです。

 

 

それがもう一つの方式の、マイナスに気付いてもらうフィードバックです。

いくら専門外といえども、全く知識がないわけではありません。

その分野の専門家ほどではないものの、ある程度の知識を持っているからこそ、そのようなワークショップや講座を開催することができるわけです。

または、仕事に従事することができるんですね。

 

そうであれば、追加のプラスを届けることはできなくても、何が足りないかは見つけ出すことはできるんです。

それをそのまま伝えてあげればいいだけなんですね。

そしてあとは、相手に考えてもらうようにすればいいんです。

 

そこでもしも相手から「例えば、どうすればいいですか?」と質問が来たとしても

 

「そうですね、○○さんの状況が詳しくわからないので、ここでお答えしてしまうと、間違った答えになってしまうかもしれません。もしよければ、後で詳しい状況をメールで送って頂ければ、回答させていただきますが、それでよろしいでしょうか」

としてあげればいいんですね。

 

その場で答えられないことはちゃんと理由をつけて、後で答えるとしてあげればいいだけなんです。

そうすれば、じっくりと時間をかけて調べることができるので、間違った答えにならずに済むんですね。

 

 

 

前回のブログで、専門外のワークショップを開催したことをお伝えしました。

そのワークショップでどのようなフィードバックをしたかというと、専門分野に関しては答えられる範囲だけ答えて、あとはマイナスに気付いてもらうフィードバックを活用しました。

 

ワークショップという形式上「自分で考える」ことが前提となります。

そのためこのこの方式でも、十分に満足度の高いフィードバックをお届けすることができたんですね。

 

もちろんのことながら、他のフィードバックも織り交ぜることでより満足度を高めることができます。

このようにフィードバックは「プラスを与える」だけでないことを知っていれば、そこまで悩まずに届けられるようになるんですね。