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その判断は状況の影響を受けてるかも?

 

人は朝目覚めてから、夜眠るまで、様々なことを判断して選択しています。

どんな服を着ていこうか、どんなものを食べようか、どんな返事をするのか、どんなやり方をするのか…。

無限にある選択肢の中から、一つを選び取りながら日々の暮らしを続けています。

 

何かを選ぶためには必ず、自分が置かれた状況を把握して、最適な判断は何かを検討する必要があります。

 

そしてなにかしらの判断をするとき、状況が判断に大きな影響を知らず知らずのうちに与えていたりするんです。

今回は状況に流された判断をするのではなく、自分にとって最も相応しい判断を行うためのヒントをお伝えしたいと思います。

 

 

半分の水が入ったコップ

 

コップの中に半分の水が入っているのを見て、どのように思うのか?

自己啓発などの本やセミナーなどで、よく使われる例ですよね。

 

コップの中の水を少ないと受け取るのか、十分と受け取るのか、はたまた、まだ水を入れる余地があると考えるのか。

捉え方は様々なものがありますよね。

 

もしも、ほんの些細なことでいつも焦ってしまう人であれば、コップにはまだ十分な水が入っていると考えたほうが気持ちは楽になると思います。

 

一方で、目標達成の途中にある人であれば、まだまだ水を入れる余地があるので、もっと取り組んだほうがいいと表現することもできます。

 

この「コップの水理論」はとても便利な喩えといえます。

ですが今回はそういったことで「コップの水理論」を扱いません。

もう少し違った視点で、半分の水が入ったコップをみていきましょう。

 

 

砂漠のなかにいたのなら…

 

あなたは砂漠の真ん中を歩いています。

肌を刺すような日差しで、周囲には日陰すらありません。

水場まではまだまだ距離があり、日が沈むにもたっぷりの時間があります。

 

このような状況でコップの中に水が半分残っていたとしたら、どのように感じるでしょうか?

十分と感じますか?

それとも、あと半分しかないと感じるでしょうか?

おそらくは後者のように感じる人が大半だと思います。

 

置かれた状況は水の有無が生死を分ける過酷な状況です。

そんな場面で悠長に「まだ水は半分も残っている」とはなかなか思えないですよね。

もしもそう思ってしまったなら、水の扱いが雑になってしまって、飲むときにいくらか零してしまうかもしれません。

 

でも「水は半分しかない」と思ったのなら、一滴たりとも無駄にはしないといった態度を取るようになるでしょう。

 

 

レストランにいたのなら…

 

あなたはレストランでテーブルについています。

快適な温度で暑くも寒くもありません。

テーブルの上にはたっぷりの水が入ったデカンタが置かれています。

 

このような状況で、あなたのコップに半分の水が入っているとしたなら、どのように感じるでしょうか?

おそらく何も感じないかもしれません。もしくは、まだ十分な水がコップの中にあると思うかもしれませんよね。

すぐさまコップいっぱいになるまで、デカンタから水を注ぐようなこともしないはずです。

 

コップに入った半分の水に、焦りも安心も、優越感も、何一つとして出てくる気持ちはないのではないでしょうか。

 

「コップの中には半分の水がある」という事実は変わりませんが、置かれた状況によって感じ方が大きく変化するんです。

 

つまりその判断は置かれた状況によって振り回されている可能性があると言えるのです。

 

 

あるがままを理解する

 

適切な判断をするためにはまず、あるがままを理解することから取り組むことが大切になります。

今回のことであれば、あるがままの姿というのは

「コップの中に半分の水がある」

ただこれだけを理解することです。

そしてそこから、今の状況を持ってきて、最もふさわしい判断は何かを考えていくんです。

 

多くの場合で事実を理解するまえに、状況によって導き出された判断を自動的に行ってしまいます。

そのため状況に流されるということが起きてしまうのです。

 

それだけでなく、変な考えが暴走してしまって、感情的な判断を下して後悔する、なんてことが起こったりもします。

 

例えば、片思いの人にデートの誘いをしたとします。

なかなか返事が返ってこなかったとしたなら、気持ちはもうソワソワしっぱなしですよね。

仕事や勉強をしなきゃいけない時間であっても、返事が来ていないかスマホを何度も確認してしまうかもしれません。

これはまさに、状況の影響を受けてしまったがゆえに、やるべきことを優先しない判断を下していると言えるのです。

 

 

状況の虜にならないために

 

まずは「人は状況の影響を受ける」ということを知ることです。

どれだけ「自分は状況の影響など受けない」と思っていても、それは不可能だと思ってください。

必ず何かしらの影響を受けるものです。

だからこそ「影響を受けている自分に気付く」ことからはじめてください。

 

次に「事実をありのまま理解する」ようにするのです。

コップの水なら、多いとか少ないとか、十分とか、そういった考えは全て排除します。

ただ「コップの中に半分の水がある」とするだけです。

 

さきほどのデートの誘いであれば「返事が来ていない」となります。

ここで相手が返事を送ってこないのは、「まだ連絡を見ていないから」「いまは忙しいから」「単純にわすれているだけ」など、考える必要はありません。

そういったことを考えれば考えるほど、かならずネガティブな理由も出てきてしまいます。

理由や意味などは考えず、ただありのままを理解するようにします。

 

その上で、置かれた状況と、自分にとって相応しいことは何かを考えることで、状況に囚われた判断ではなく、状況に適した判断ができるようになるんですね。

 

 

 

大切なのは、いまの状況をありのままに理解すること。

それができるようになると、状況に流されることなく、今の自分にとって最適な判断を下せるようになりますよ。