
アレが欲しい、コレが欲しい。
人の欲求は際限がありません。
そのような状態になってしまうと、欲しいものを手に入れた直後から、また新しいものが欲しくなってしまいます。
今回は人間に元から備わっているある機能に注目することで、健全な人生を手に入れることができることをお伝えしたいと思います。
この機能は本当に大切なものですので、ぜひ知っておいてくださいね。
生物が持つシステム
生物が持っているシステムには「フィードバック・ループ」というものがあります。
フィードバック・ループには「正」と「負」の二種類があります。
「正」のフィードバック・ループでは、出力が増えると、入力をもっと増やそうとします。
その一方で、「負」のフィードバック・ループでは、出力が増えると、入力を減らします。
別の言い方をすると、結果が大きくなればなるほど、さらにその結果を求めるために原因を求めるのが「正」のフィードバック・ループ。
その逆に、結果が大きくなればなるほど、その結果の原因を減少させようとするのが「負」のフィードバック・ループとなります。
「正」のフィードバック・ループを具体的にお伝えすると例えばですが、仕事で給料が上がったとします。
それって嬉しいことですよね。嬉しいからこそ「もっと給料が欲しい」と思うようになります。
まさに「嬉しい」という出力を大きくするために、原因である「給料」をもっと欲しくなるわけです。
次に「負」のフィードバック・ループの具体例でいうと、お腹が減ったとします。
何か食べ物を食べると、お腹が膨れて満足という出力が増えますよね。でも、さらに満足を得ようとしてさらに食べるなんてことはしません。
このように満足することで、入力が停止するようなシステムのことをいいます。
「負」に注目する
「正」のフィードバック・ループは、自己成長に欠かすことができないシステムです。
より多くのものを手に入れるためには、それに見合う自分にならなければ手に入れることができません。
今の自分から抜け出して違う自分になるための起爆剤になるのが、「正」のフィードバック・ループと言えます。
「正」のフィードバック・ループは決して悪いものではないのですが、世の中には「正」のフィードバック・ループを刺激するもので溢れているんです。
テレビや広告から流れてくる「理想的な姿」の数々は、人の心に「欲しい」を生み出し続けます。
また、会社などで成果を出した人が、報酬を受け取っているのをみると「自分もああなりたい」と思うのも自然な流れです。
「正」のフィードバック・ループは自己成長の起爆剤にはなるのですが、常に欠乏感がつきまとうことになってしまうんですね。
それではいつまで経っても、満たされた生活を手に入れることはできません。
そこで「負」のフィードバック・ループに敢えて目を向けるようにするんです。
今の自分のなかで、満足できているものはないか。そういった視点で自分を振り返ってみてみます。
すると意外にも、すでに十分なものに気付くことができるようになります。
いままでは「もっと、もっと」と思っていたものが、「十分だ」に変化していきます。
むやみやたらに求めることがなくなるので、気持ちもス~っと落ち着いていき、満たされた自分を味わうことができるんですね。
そうすると、生体システムは休息をして、燃料を補給することができるようになるんです。
成長も大切だけど…
クライアントさんの成長をサポートしている僕が言うのもアレなんですが、成長にばかり意識が向いてしまうと、心が安らぐことがありません。
もちろんのことですが、人生の中においてはとことん成長に向き合うタイミングというものがやってきます。
そのときに全力で向き合うことで、驚くほどの変化・成長を遂げることができるのも事実です。
ですが、もしも日頃からエネルギーを使い続けたことで、いざそのときが現れたときに、疲弊してしまっていたらどうでしょう?
せっかくのチャンスを最高の状態で活用することができなくなってしまいますよね。
そういったことにならないためにも、自分を満たしていくことが大切になるんです。
自分が満たされていることに気付くには「負」のフィードバック・ループを活用するしかありません。
もう十分だから、これ以上求める必要はない。
そう確信できるからこそ、焦りもなく欠乏感もない、健やかな時間を手に入れることができるのです。
そうして心身共に満たされているからこそ、次の「正」のフィードバック・ループに立ち向かうエネルギーを蓄えることができるのです。
現代社会はめまぐるしく変化しています。
置き去りにされないように必死に食らいつきたくなる気持ちはわかりますが、それでは疲弊するばかり。
ときには立ち止まって、エネルギーを補給する時間も大切なんですね。
汗をかいて必死に立ち向かう姿は美しいですし、満たされて健やかに過ごす姿もまた美しいものです。
どちらも美しいのなら、両方をバランス良く切り替えながら生きたほうが、健やかな人生を歩める気がしませんか?
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