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お正月に読んだ本

 

新しい一年が始まりました。

この一年はどんな一年にしていきたいですか?

 

前回のブログが振り返りのブログでしたので、今回は一年の計画についてのブログにしようかと思ったのですが、ありきたり過ぎるのでそれはやめておきます()

 

このお正月休みにある本を読んだのですが、書かれていた内容が面白かったので少しご紹介したいと思います。

その本は「武士道といふは死ぬ事と見付けたり」で有名な、山本常朝によって書かれた「葉隠」です。

この本は江戸時代の武士のための啓発本なんです。なので所々に、平和になったがために武士としての振るまいが損なわれいるといった、嘆き節なんかも入っていたりします。

 

原文の本も出てはいるのですが、さすがに古文を読み解くことはできないため、現代語訳になった本を読みました。

僕が読んだ本は

 

奈良本辰也訳

現代語で読む「武士道」の真髄!葉隠れ

三笠書房

 

現代語に訳されているのでとても分かりやすいのでいいですね。

そのなかで興味深いトピックをご紹介します。

 

ただ武士道に立って書かれたものなので、かなり尖った内容になっているのでそこはご覚悟を…。

 

 

その日を最期と定める

 

「武士道とは死ぬことである。

それは生か死のどちらかを選ぶとき、武士は死を選ばなければならない。

命を賭して向き合わねば達成できないものから逃げて生きながらえたとしても、それは侍としてはただの腰抜けでしかない。

いつ死んでもいいと思えるからこそ、その一瞬一瞬に気を張ることができる。

いやしい振る舞いなどは消えて、一角の武士となるのだ」

 

いやはや、少しの不手際があれば切腹となる時代ですからね。

これくらいの緊張感をもって職務に当たらないと、主君に顔向けができないということなのでしょう。

 

またこのようなことも書いていました。

 

「武士道において思慮をめぐらすようになれば、すでにそれは人におくれをとっているということである。武士道においては、死に物狂いだけがあるのだ」

 

他の追随を許すこと無く一念を貫徹するからこそ、道が開けるということなのでしょう。

ワークライフバランスが大切だと言われている現代ですが、起業家で成功している人ってやっぱり、泥臭く死に物狂いで取り組んでいたりしますからね。

 

絶えず死を意識しながら生きるからこそ、今を生きるエネルギーが湧いてくるのかもしれません。

 

 

いまをどう生きるか

 

「いまというときが、いざというときである。いざというときは、いまである。

その「いま」と「いざ」を二つに分けて考えるから、いざというときに動けない」

 

これはチャンスの神様は前髪しかないという言葉に通ずるものがありますよね。

「いま」をのんべんだらりと過ごしていたら、「いざ」というときにどうしても出遅れてしまいます。

武士が生きる世界では、この一瞬の出遅れが生死を分けることもあるでしょう。

 

それだけでなく、殿様に呼び出されて詳細を尋ねられたとき、即座に正しい答えを出せなければ、それだけで評価が下がってしまいます。

絶えず緊張感をもって、何が起きても対処できるよう心掛けることが大切とありました。

 

これは現代にも通ずることかもしれませんよね。

とても大きなプロジェクトのコンペが発足したとき、日頃から準備を怠っていなければ、即座にプレゼンを行うこともできます。

 

もしも一切の準備をしていなかったとしたら、コンペという「いざ」に対処できないままになってしまうかもしれませんよね。

このような心構えが最終的に自分の身を助けることになることは間違いないと思います。

 

 

七息思案で生きる

 

「気持ちがふらふらしているときは、よい思案は出ない。よどみなく、爽やかできりっとしまった気持ちのときは、七つの呼吸をする間に良い思案がまとまるものである。腹が決まって、すがすがしい気構えになっている」

 

これは決断をするのならスピード感をもって判断をくだすことの大切さを言っています。

もちろん短絡的になってしまうと判断を間違えますが、日頃から生き方や自分の軸を明確にしていれば、迷いに囚われることもなくなります。

武士たるもの、日頃から覚悟という準備をしているかが大切だということですね。

 

そこで面白いのが今ではドラマで有名な「忠臣蔵」に、山本常朝は面白い見解をもっているんです。

 

「赤穂浪士の仇討ちは主君が死んでから長すぎる。もしもその間に、吉良殿が病死でもしてしまったならどうにもならないではないか」

 

山本常朝は「武士道とは死ぬことと見付けたり」と言っているわけですから、死に物狂いで仇討ちに向かうべきと考えているのでしょう。

時間をかけて作戦を練り準備を整えてといった悠長なことは、武士の生き方ではないと言い切っています。

 

忠臣蔵では、忠義に厚い家臣たちとして描かれていますが、当時の武士道精神から見るとまた違った見え方になるのは興味深いですよね。

 

 

 

今回は「生き方」に絞ってお伝えしました。

現代語訳の「葉隠」には「生き方」以外にも、「人との付き合い方」「仕事の仕方」「自己成長」「運のつかみ方」などについても書かれています。

 

時代を超えて読み継がれるだけのことはある内容になっています。

もちろん時代にそぐわない部分もありますが、それはそれとして、その当時の武士の暮らしが垣間見えて面白いですよ。

 

かオススメの一冊です!