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目的ほど重要なものはない

 

あなたは「目的」を明確にしていますか?

仕事の目的、遊びの目的、学びの目的、会話の目的などなど。

人はなにかしらの目的があるからこそ、そこに向かって進んでいくことができます。

 

なんの目的もなく過ごすなんてことは、人には不可能かもしれません。

部屋で何もせずにゴロゴロしているのも「何もしない」という目的を果たすために、そのような行動を取っていると言えます。

 

今回はこの記事を書いているこの日に、ある出来事に出会ったので「目的」についての記事を書こうと思ったのです。

では一体、何があったのか…

 

 

今日の出来事

 

駅までの道を歩いていると、6070歳ほどの男性が自販機の前にかがみ込んでいたんです。

見るとはなしに見ていると、自販機の下に落ちている硬貨を探していることに気がつきました。

 

ちょうど側に近づいたとき、何かを拾い上げて枚数を確認しているようなそぶりをしたので、収穫はあったようでした。

 

そのときのその男性は、手に150cmほどの長さの竹の棒と、LEDらしき懐中電灯、そして、膝には発泡スチロールで作ったプロテクターを付けていたんです。

まさに自販機の下に落ちている硬貨を取り出すのに、最適な装備を整えていました。

 

その出で立ちを見たとき僕は

「なるほど、よく考えられている」

と思ったんです。

 

まず竹の棒ですが、竹はご存じのようにとても軽い素材です。

そのため棒の端を持っていたとしても、扱うのはそれほどの力を必要としません。

 

そしてLEDらしき懐中電灯。

一般的な懐中電灯の場合、光の中心部が暗くなってしまうんです。

自販機の下のような狭い場所を明るく照らすには、LEDのように光が真っ直ぐに進むタイプの光源が最適なのです。

 

膝当てを発泡スチロールでまかなっているので、費用はかかっていないと思います。

不要な発泡ケースなんかは、スーパーなどで配られたりしているので、どこででも手に入れることができます。

地面についた膝を守るだけですから、スポーツ用の高価な膝当てである必要はありません。

 

すべて考え抜かれた装備になっていたのです。

 

 

その男性を見て感じたこと

 

法律的なことを言えば、自販機の下に落ちてるお金を拾い集めて取ってしまったら、窃盗にあたるのでよろしくないことではあります。

今回のことはそういった法的なことについて、考えたいわけではありません。

 

そういった前提の上で、僕がその男性を見たとき、何を感じたかというと

「ものすごい工夫がされているな」

というものでした。

 

それと同時に

「なんて効率の悪い道を選んでいるのだろう」

という、少しばかりの残念さが胸に宿りました。

 

というのも男性の装備はお金をかけることなく、非常に効率的に自販機の下に落ちている硬貨を見つけ出し、取り出すことができるものです。

ですが自販機の下に落ちているお金は、いったいどれほどの額でしょうか。

 

おそらく一時間頑張ってみても、せいぜい数百円くらいしか集まらないでしょう。

最近では電子決済の自販機も増えていて、現金を使わずに購入する人も増えてきています。

そう考えると、自販機の下を探ることそのものが、非効率だと言わざるをえません。

 

ここなんですよね、その男性は効率的に作業をする工夫をしているのですが、そもそも、その目的が非効率なものになっているのです。

もっと効率的にそして効果的にお金を稼ぐことができるはずなのに、頭を使うべき方向がずれてしまっているのです。

 

 

目的を見定めることで

 

人間の脳は「考える」という素晴らしい機能を兼ね備えています。

ですが目的を間違えてしまうと、さきほど紹介した男性のように、非効率なことに効率的な工夫をしてしまうことになります。

 

大切なのは「目的」です。

 

さきほどの男性はおそらく

「自販機の下に落ちているお金を拾って稼ぐ」

といった目的を打ち立ててしまったために、その目的を達成するためだけに、脳が適切に働いて、先に書いたような工夫ができていたのでしょう。

 

あの工夫は本当に理にかなったものになっていました。

つまり、練りに練られた方法を実現していると言えます。

 

これがもしも、よりよい目的が設定されていたとしたら、あの男性は脳をフル活用して、よりよい工夫ができていたはずです。

いまよりももっと、豊かな暮らしを手に入れていたかもしれません。

 

でもこういったことを書くと

「私には大きな目的を達成するような能力がない」

と、感じる人がなかにはいるかもしれません。

 

ですがそれは、ただの妄想に過ぎません。

 

 

人間は無限の可能性を持っている

 

まず僕たちは「脳」を持っています。

「脳」は考えるための器官なんです。つまり、絶えず考えるために準備をしてくれています。

あとは自分が「目的を達成するために考える」と思うだけです。そう思うだけで「脳」はしっかりと働き始めます。

 

そして持っているのは「脳」だけではありません。

「目」や「耳」がありますよね。

この二つの器官があることで、外側からありとあらゆる情報を手に入れることができるのです。

 

ということは、今はまだその目的を達成するための方法を知らなかったとしても、「目」や「耳」を使うことで、いくらでもその方法を手に入れることができるのです。

こんな素晴らしい道具を持っているのに、それを使わないなんて、言葉を選ばずに言ってしまえば「バカ」ですよ。

最高の道具を使わないって、考えられないですよね。

 

そして「口」があるので、自分の考えを人に伝えることもできます。

欲しいものがあればそれを求めることもできるし、手伝いが欲しいのならそれをお願いすることもできます。

 

また、自分の目的に近づくために協力を申し出ることもできます。

「口」があるからこそ、自分だけでやらなくていい状態を作り出せるのです。

他の人と繋がることができるんです。それは他人の脳を借り受けることでもあるので、単純に人数の数だけ倍の効率になると言えるでしょう。

 

他にも「手」がありますよね。

「手」は本当にすごいもので、どんな道具も扱うことができるのです。

自分の身体だけで目的を達成する必要なんてないんです。この世界には便利な道具が、山のように用意されています。

「手」があればそれを、いくらでも使うことができるんですよ?

そう考えたら、この世界で目的を達成するなんて、楽勝ですよね。

 

あと忘れてはいけないのは「足」です。

「足」はすごいですよ。自分を好きな場所に連れて行ってくれます。

行きたい場所があれば、どこにだっていけます。

会いたい人がいるのなら、そこに行くことができます。

チャンスが集まる場所に、自分を連れて行くこともできるのです。

 

目的を果たすためのものを、もう全部、持っているのです。

ただ残念なことに、いま持っているものが「当たり前」になりすぎているせいで、その素晴らしさを見失っているかもしれません。

 

だからこそ改めて自分を見つめて欲しいのです。

自分はもう、全部持っているんだということを。

 

どんなことでも成し遂げる「脳」と「身体」という素晴らしい道具を持っていますし、それ以外の最適な道具がすでに世界には用意されているのです。

 

こんな恵まれた状態で、達成できないなんて有り得ないですよね。

達成して当たり前の世界に僕たちはいま、生きているのです。

 

そしてそれらの道具を最大効率で活用するには、適切な目的を持つこと。

これに尽きるということを、忘れないでくださいね。