
今回のブログのタイトルは、不穏な空気が漂っていますよね。
幼少期に大人から与えられた言葉で、もしかすると生きづらくなってしまっている人がいるかもしれません。
いったのどのような心理的束縛のせいで、生きづらくなってしまっているのか…。
今回は誰もが「よかれと思って」使ってしまっている、ある言葉を紹介します。
あなたの生きづらさの答えがここにあるかもしれないので、ぜひ最後まで読んでみてください…。
拮抗禁止令をご存じですか?
拮抗禁止令(カウンターインジャンクション)とは、幼少期に親や大人たちから無意識に与えられた、「社会で生き抜くための指示メッセージ」のことです。
これらのメッセージは、子どもを守ろう、成功させようという善意から発せられるものがほとんどです。しかし、その意図に反して、結果的に子どもの心に過剰なプレッシャーや自己否定感を植えつけてしまうことがあります。
例えば、「ミスをしないように完璧にやりなさい」「みんなに好かれるように振る舞いなさい」といった指示です。
表向きはポジティブに聞こえますが、裏を返せば
「完璧でないと価値がない」
「人に嫌われたら存在価値がない」
といったメッセージが心に刷り込まれていくのです。
このような拮抗禁止令は、成長して大人になったあとも無意識に影響を与え続け、本人の自由な選択や自己肯定感を阻害してしまいます。
では、具体的にどのような拮抗禁止令があるのかを、順番に見ていきましょう。
完璧であれ!
「失敗しちゃダメ」「100点を取らないと認めてもらえない」そんな感覚を抱いて育った人もいるかもしれません。
「完璧であれ!」という拮抗禁止令は、子どもに過剰な自己管理を強いることになります。
些細なミスにも極度に怯え、常に自分に満点を求め続けるようになるのです。
その結果、
・失敗を極端に恐れる
・チャレンジできなくなる
・自己評価が厳しすぎる
といった生きづらさが生まれてしまいます。
本来、成長には失敗が不可欠です。
試行錯誤しながら学ぶことが、人間を柔軟に、そして強くしていきます。
「完璧でなくても大丈夫」「失敗しても自分には価値がある」という感覚を、今からでも育てていくことが大切となります。
人を喜ばせろ!
「みんなに優しくしなさい」「嫌われないようにしなさい」こうした言葉も、一見すると素晴らしい教えのように聞こえます。
しかし、これが過剰になると「自分の気持ちより他人を優先するべきだ」という無意識のルールができあがってしまいます。
その結果、
・NOと言えない
・無理に笑顔を作る
・いつも人の顔色をうかがう
という苦しさを抱えるようになります。
もちろん他者への思いやりは大切です。
ただ、それが「自分を押し殺してまで」という形になると、心は少しずつ擦り減ってしまいます。
まずは、自分の気持ちに気づき、尊重すること。
「自分を大切にできるからこそ、人も大切にできる」という順番を、思い出していきたいですね。
強くあれ!
「泣くな」「弱音を吐くな」こうした言葉もまた、無意識のうちに心に鎧をまとわせる拮抗禁止令のひとつです。
「強くあれ!」という指示は、困難に立ち向かう力を育てる反面、感情を無視した自己抑圧にもつながります。
その結果、
・悲しみやつらさを吐き出せない
・感情を感じること自体に罪悪感を覚える
・孤独感が強まる
という傾向が生まれてしまいます。
本当の強さとは、「弱さを見せる勇気」を持つことでもあります。
弱音を吐ける自分を許すことは、むしろ人間らしい強さへの第一歩です。
努力しろ!
「もっと頑張りなさい」「諦めるな」これも、多くの人が子ども時代に聞かされた言葉でしょう。
努力そのものは素晴らしいことです。
しかし、「努力しなければ価値がない」というメッセージにすり替わってしまうと、自分を追い込み続ける人生になってしまいます。
その結果、
・休むことに罪悪感を覚える
・完璧でない自分を責め続ける
・頑張り続けて燃え尽きる
という生きづらさを抱えるようになります。
努力はあくまで「自分が望む未来を叶えるための手段」であって、「存在価値を証明するためのもの」ではないはずです。
立ち止まってもいい。手を抜いてもいい。
そんな自分にも、ちゃんとOKを出してあげたいですね。
急げ!
「早くしなさい」「ぐずぐずするな」これもまた、多くの子どもたちに向けられた指示のひとつです。
「急げ!」という拮抗禁止令を受け取ると、いつも焦りながら生きる癖がついてしまいます。
その結果、
・常に時間に追われる感覚
・物事をじっくり楽しめない
・何をしていても落ち着かない
といった特徴が現れやすくなります。
人生には「急がないといけない場面」もありますが、すべてを急ぐ必要はありません。
ときには立ち止まり、自分のペースで呼吸すること。
焦らない日々を意識的に作ることも、大切な自己ケアの一部です。
このようなことをあなたに言い聞かせた、親や周囲の大人たちは、決して悪意があったわけではありません。
むしろ「社会で困らないように」「ちゃんと生き抜いてほしい」と願って、こうした言葉を与えてくれたのでしょう。
ただ、その善意が結果的に、私たちの心に「無理な自分像」を刷り込んでしまうこともあるのです。
大切なのは、過去を責めることではありません。
「もう、無理しなくてもいい」 「本当の自分を、許してあげてもいい」
そんなふうに、少しずつ自分自身を解きほぐしていくこと。
あなたがもっと自由に、もっと楽に生きていけるように。
今日から、心の中の拮抗禁止令を、ひとつずつ手放していただければと思います。
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