
言葉にしたはずなのに、思ったようには伝わらない。
「わかってくれていると思ったのに…」と落ち込んでしまったり、「どうしてわかってくれないの?」とイライラしてしまうこと、ありますよね。
大切な人との会話の中でこそ、こうした感情は強くなるものです。
私たちは誰もが、「理解されたい」「共感されたい」と願っています。
でもその思いが強いほど、すれ違いや誤解が起きたときのショックは大きくなってしまうんですよね。
では、どうすれば「なんでわかってくれないの?」という気持ちに振り回されずに、心地よい関係を築いていけるのでしょうか?
今回の内容はきっと役に立つと思うので、最後までぜひ読んでくださいね。
「わかってほしい」の裏にある心理
誰かに「わかってもらいたい」と思うとき、実は私たちは“自分の価値”や“存在そのもの”を認めてほしいという深い欲求を抱えています。
というのも私たちは誰もが承認欲求をもっているから。
たとえば、仕事で頑張ったことをパートナーに話したのに「ふーん」で終わったとき、「なんでそんな反応なの?」と感じたことはありませんか?
それは「自分の努力を認めてほしい」「共感してほしい」という気持ちが満たされなかったからなんです。
また、感情的になってしまう背景には、自分自身が過去に「わかってもらえなかった」経験があることも原因だったりします。
子どもの頃に感情を抑え込まれてきた人ほど、大人になってから「ちゃんと受け止めてほしい」という思いが強くなる傾向があるとされています。
こうしたズレは、相手が悪いわけでも、自分が悪いわけでもありません。
ただ、お互いに見ているものや期待しているものが違うというだけのこと。
まずはその前提を持つことが、理解への第一歩です。
「察してほしい」はすれ違いのもと
日本の文化では、「言わなくてもわかるべき」という“以心伝心”の価値観が根強くあります。
ですが、現実には言葉にしないと伝わらないことの方がずっと多いですよね。
「言わなくても察してよ」は、裏を返せば「自分の気持ちを説明するのが怖い」「拒絶されるかもしれない」という不安の表れかもしれません。
でも、説明されないままでは、相手もどう理解していいかわからないんですよね。
実際、些細なすれ違いから大きな誤解に発展してしまうケースも少なくありません。
たとえば「今日は疲れてるからそっとしておいてほしい」と思っているのに、それを言葉にせずにいると、相手は「なんで無視されるんだろう?」と受け取ってしまうかもしれません。
思い切って「私はこう感じている」「こうしてもらえると嬉しい」と言葉にしてみる。
それが、すれ違いを防ぎ、安心して話せる関係の土台になります。
言葉にすることで、相手も自分の行動を見直すきっかけになりますし、関係がより対等で誠実なものに変わっていくのです。
聞き方ひとつで変わる“理解の質”
私たちはつい、自分の話をわかってもらいたくて、話すことばかりに集中してしまいがちです。
でも実は、「どう聴くか」がコミュニケーションの鍵なんです。
たとえば、相手が話しているときに「それってこういうこと?」と確認したり、「そう感じたんだね」と気持ちに寄り添うだけで、相手は安心して心を開いてくれます。
このように、相手の話に関心をもったり、相手に寄り添ったりすることで、表面的なやりとりではなく、より深いレベルでの相互理解ができるようになります。
また、相手の話に共感するだけでなく、自分の解釈を押しつけずに聴くことも大切です。
「自分だったらこうする」という視点を一旦脇に置き、相手の立場に立つこと。
それが、本当の意味での「理解する」という姿勢につながっていきます。
期待は「伝えるもの」へとシフトしよう
「きっとこうしてくれるはず」「普通ならこう言うよね」といった“暗黙の期待”は、しばしば誤解を生みます。
それは、相手の内面を自分の基準で測ってしまうことでもあります。
たとえば、記念日を覚えていてほしい、落ち込んでいるときに声をかけてほしい…そんな“期待”が伝わっていないと、「どうして気づいてくれないの?」という不満に変わってしまいます。
でも実際には、相手にとってはそんな期待をしていることすら気づかれていないことも多いんですよね。
だからこそ、自分がしている期待に気づいたら、それを「伝える言葉」に変えてみましょう。
たとえば、「忙しいのはわかってるけど、5分だけ話を聞いてくれると嬉しいな」と伝えれば、相手も具体的にどう応えればいいかがわかります。
期待は押しつけではなく、“共有”することで関係を深めるツールになるのです。
そして、それが繰り返されることで、少しずつ「お互いにわかり合える関係」が育っていくのだと思います。
人はそれぞれ、育ってきた環境も価値観も違います。
だから、完全に“わかり合う”ことは難しいかもしれません。でも、違いを前提にしながらも、「伝えること」「聴くこと」を大切にすれば、分かり合える部分はぐっと広がっていきます。
「なんでわかってくれないの?」という思いが湧いたときこそ、自分の気持ちや期待を丁寧に見つめるチャンスかもしれません。
ほんの少しの勇気と工夫で、すれ違いは理解へと変わっていきます。
できることから、はじめてみてくださいね。
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