
「無理だよ、やってもどうせ…」と、自分の可能性を自分で閉ざしてしまうことって、ありませんか?
私たちは頭では「本当はやれるかもしれない」と思いながらも、失敗や周囲の目が気になって、つい現状維持を選んでしまいがちです。
そんなとき、ある一節が心に深く刺さりました。
それは2006年11月に出版された新書、『はやぶさ-不死身の探査機と宇宙研の物語-』に出てくる、糸川英夫博士についての記述でした。
そこには一体、どんなことが書かれていたのか?
そして、その言葉を自分の生き方の一部にすることで、どんな人生が開けていくのか。
きっとあなたにも、とてもいい刺激となると思うので、最後までぜひ読んでくださいね。
本の一節とは
いきなりですが、少し考えていただきたいことがあります。
このブログのタイトルは「○○を可能にする」です。
あなたはこの「○○」のところにどんな言葉を入れますか?
ぜひ考えてみてください。
どんな言葉が浮かんできたでしょうか?
「不可能を可能にする」
「出来ないことを可能にする」
「難しいことを可能にする」
色んな言葉が出てきたかもしれません。
『はやぶさ-不死身の探査機と宇宙研の物語-』には上記のような言葉ではなく、意外な言葉が書かれていたんです。
ということで、僕の心に刺さった一節をご紹介します。
糸川の真骨頂は、「不可能に挑戦する」という美辞麗句よりは、もっと現実的でプロ好みの「可能を可能にする」ところにある。
理論上は確かに可能性があるけれども、誰も顧みなかったものに、鮮やかに光りを当てて、強力な腕力をもってそれをねじ伏せる。
「可能を可能にする」この言葉に出会ったとき、僕は雷に打たれたような感じがしました。
可能なのに、手をだせない
「やればできるはず」と思いつつも動けないのは、怠惰ではなく、むしろとても人間らしい心の働きだと思うんです。
心理学ではこれを「コンフォートゾーン(快適領域)」の罠と呼ぶことがあります。
私たちの脳は変化を危険と見なす傾向があって、たとえそれが成長やチャンスに繋がるものであっても、慣れ親しんだ現状の中に留まろうとするんですね。
新しい挑戦には失敗や拒絶のリスクが伴うと感じ、そのストレスを無意識に避けてしまいまんです。
さらに、「自己効力感」(self-efficacy)と呼ばれる心理概念があります。
これは「自分にはできる」という信念のこと。
自己効力感が高い人は、困難に直面しても「なんとかなる」と思えるため行動に移しやすくなりますが、自己効力感が低いと、「理論上できる」ことさえも行動に結びつきにくくなります。
過去の失敗体験や、周囲からの否定的な言葉、自分への厳しすぎる評価が、知らず知らずのうちに「できるはず」の種を土にまくのではなく、机の引き出しにしまい込んでしまっているのかもしれません。
でも、こうした感情や思い込みに優しく気づき、「あ、いま私は自分の可能性を封じようとしているかもしれない」と少し立ち止まることができたら──
それだけで、小さな一歩が始まります。
そして「やれることから、やってみよう」と実際に動き出した瞬間、「可能を可能にする」力が芽を出し始めるんです。
人生の景色は、きっとそこから変わっていくと思うんです。
小さな「できる」を、今日から始めてみる
「できる」とわかっているのに、なぜか始められない──
そんなときってありますよね。
たとえば、「英語を話せるようになりたい」「運動不足を解消したい」「もっと早起きしたい」。
心のどこかで「やればできる」と思っているのに、時間がない、気力がない、タイミングが悪い…と、理由をつけては見送ってしまう。
でも、それって本当は「自分に対する小さな不安」の表れなのかもしれません。
「ちゃんと続けられるかな」「また途中で投げ出したらどうしよう」──
そんな気持ちは、誰にでもあるものです。
だからこそ、完璧を求めず「できるところから、少しだけ」始めてみることが大切です。
・1日1ページだけでも本を読んでみる
・3分間だけでもストレッチをしてみる
・1行だけでも日記を書いてみる
そうやって動き出した小さな一歩は、やがて「私は動ける」「私はやれる」という感覚を、心の中に少しずつ育てていってくれます。
行動には、自信をつくる力があります。
そして自信は、新しい挑戦への扉をそっと開いてくれるんです。
あなたが今「気になっていること」や「やってみたいこと」は何ですか?
その中にある、今日からできる“ほんの少しの実行”を、どうか大切にしてみてくださいね。
・それでも現れる壁を前にしたとき
どれだけ「できる」と思っていても、実際に動き始めたあとにも、思わぬ壁にぶつかることがあります。
忙しさに流されて続けられなかったり、思ったような成果が出ずにがっかりしたり、周囲から理解されずに孤独を感じることもあるかもしれません。
そんなときは、「やっぱり無理だった」と諦める前に、ちょっと立ち止まって自分にこう問いかけてみてください。
「私は、何に躓いているんだろう?」
その壁が、単なる一時的な疲れなのか、方向性の見直しが必要なのか、それとももっと根っこにある不安なのか──
丁寧に見つめてみることが、次の一歩につながります。
そして何より大切なのは、「壁が現れること自体が、前に進んでいる証拠だ」という視点を持つこと。
壁にぶつかったときこそ、自分の内側にある本当の気持ちや、心の強さが育つチャンスなのかもしれません。
だから、あきらめないで。
小さくても、立ち止まっても、また進めばいいんです。
あなたの中の「可能」は、そんな壁を越えるたびに、もっとしなやかに、もっと確かに育っていくはずです。
糸川英夫博士の哲学「可能を可能にする」は、決して特別な人だけのものではありません。
自分にとって「できるはず」と思っていたことに光を当て、それを形にしていく勇気。
それは、どんな人の中にも眠っています。
その一歩を踏み出すことで、私たちの世界は少しずつ広がっていくはず。
さあ今日、あなたはどんな「可能」に光を当ててみますか?
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