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○○を可能にする

 

「無理だよ、やってもどうせ…」と、自分の可能性を自分で閉ざしてしまうことって、ありませんか?

 

私たちは頭では「本当はやれるかもしれない」と思いながらも、失敗や周囲の目が気になって、つい現状維持を選んでしまいがちです。

そんなとき、ある一節が心に深く刺さりました。

 

それは200611月に出版された新書、『はやぶさ-不死身の探査機と宇宙研の物語-』に出てくる、糸川英夫博士についての記述でした。

 

そこには一体、どんなことが書かれていたのか?

そして、その言葉を自分の生き方の一部にすることで、どんな人生が開けていくのか。

きっとあなたにも、とてもいい刺激となると思うので、最後までぜひ読んでくださいね。

 

 

本の一節とは

 

いきなりですが、少し考えていただきたいことがあります。

このブログのタイトルは「○○を可能にする」です。

あなたはこの「○○」のところにどんな言葉を入れますか?

ぜひ考えてみてください。

 

どんな言葉が浮かんできたでしょうか?

「不可能を可能にする」

「出来ないことを可能にする」

「難しいことを可能にする」

 

色んな言葉が出てきたかもしれません。

『はやぶさ-不死身の探査機と宇宙研の物語-』には上記のような言葉ではなく、意外な言葉が書かれていたんです。

 

ということで、僕の心に刺さった一節をご紹介します。

 

糸川の真骨頂は、「不可能に挑戦する」という美辞麗句よりは、もっと現実的でプロ好みの「可能を可能にする」ところにある。

理論上は確かに可能性があるけれども、誰も顧みなかったものに、鮮やかに光りを当てて、強力な腕力をもってそれをねじ伏せる。

 

「可能を可能にする」この言葉に出会ったとき、僕は雷に打たれたような感じがしました。

 

 

可能なのに、手をだせない

 

「やればできるはず」と思いつつも動けないのは、怠惰ではなく、むしろとても人間らしい心の働きだと思うんです。

 

心理学ではこれを「コンフォートゾーン(快適領域)」の罠と呼ぶことがあります。

私たちの脳は変化を危険と見なす傾向があって、たとえそれが成長やチャンスに繋がるものであっても、慣れ親しんだ現状の中に留まろうとするんですね。

新しい挑戦には失敗や拒絶のリスクが伴うと感じ、そのストレスを無意識に避けてしまいまんです。

 

さらに、「自己効力感」(self-efficacy)と呼ばれる心理概念があります。

これは「自分にはできる」という信念のこと。

 

自己効力感が高い人は、困難に直面しても「なんとかなる」と思えるため行動に移しやすくなりますが、自己効力感が低いと、「理論上できる」ことさえも行動に結びつきにくくなります。

 

過去の失敗体験や、周囲からの否定的な言葉、自分への厳しすぎる評価が、知らず知らずのうちに「できるはず」の種を土にまくのではなく、机の引き出しにしまい込んでしまっているのかもしれません。

 

でも、こうした感情や思い込みに優しく気づき、「あ、いま私は自分の可能性を封じようとしているかもしれない」と少し立ち止まることができたら──

それだけで、小さな一歩が始まります。

 

そして「やれることから、やってみよう」と実際に動き出した瞬間、「可能を可能にする」力が芽を出し始めるんです。

人生の景色は、きっとそこから変わっていくと思うんです。

 

 

小さな「できる」を、今日から始めてみる

 

「できる」とわかっているのに、なぜか始められない──

そんなときってありますよね。

 

たとえば、「英語を話せるようになりたい」「運動不足を解消したい」「もっと早起きしたい」。

心のどこかで「やればできる」と思っているのに、時間がない、気力がない、タイミングが悪い…と、理由をつけては見送ってしまう。

 

でも、それって本当は「自分に対する小さな不安」の表れなのかもしれません。

「ちゃんと続けられるかな」「また途中で投げ出したらどうしよう」──

そんな気持ちは、誰にでもあるものです。

 

だからこそ、完璧を求めず「できるところから、少しだけ」始めてみることが大切です。

 

11ページだけでも本を読んでみる

3分間だけでもストレッチをしてみる

1行だけでも日記を書いてみる

 

そうやって動き出した小さな一歩は、やがて「私は動ける」「私はやれる」という感覚を、心の中に少しずつ育てていってくれます。

 

行動には、自信をつくる力があります。

そして自信は、新しい挑戦への扉をそっと開いてくれるんです。

 

あなたが今「気になっていること」や「やってみたいこと」は何ですか?

その中にある、今日からできるほんの少しの実行を、どうか大切にしてみてくださいね。

 

 

・それでも現れる壁を前にしたとき

 

どれだけ「できる」と思っていても、実際に動き始めたあとにも、思わぬ壁にぶつかることがあります。

 

忙しさに流されて続けられなかったり、思ったような成果が出ずにがっかりしたり、周囲から理解されずに孤独を感じることもあるかもしれません。

 

そんなときは、「やっぱり無理だった」と諦める前に、ちょっと立ち止まって自分にこう問いかけてみてください。

 

「私は、何に躓いているんだろう?」

 

その壁が、単なる一時的な疲れなのか、方向性の見直しが必要なのか、それとももっと根っこにある不安なのか──

丁寧に見つめてみることが、次の一歩につながります。

 

そして何より大切なのは、「壁が現れること自体が、前に進んでいる証拠だ」という視点を持つこと。

 

壁にぶつかったときこそ、自分の内側にある本当の気持ちや、心の強さが育つチャンスなのかもしれません。

だから、あきらめないで。

小さくても、立ち止まっても、また進めばいいんです。

 

あなたの中の「可能」は、そんな壁を越えるたびに、もっとしなやかに、もっと確かに育っていくはずです。

 

 

 

糸川英夫博士の哲学「可能を可能にする」は、決して特別な人だけのものではありません。

自分にとって「できるはず」と思っていたことに光を当て、それを形にしていく勇気。

それは、どんな人の中にも眠っています。

 

その一歩を踏み出すことで、私たちの世界は少しずつ広がっていくはず。

さあ今日、あなたはどんな「可能」に光を当ててみますか?