
自宅から最寄り駅まで、徒歩で12分ほどかかります。
だいたいは徒歩で駅まで行くのですが、この時期のように暑い日なんかは、自転車で駅までサッと行くようにしているんですね。
自転車は駐輪場に停めるのですが、前輪をガチャンとはめるタイプの駐輪場なんです。
自分が停めたロック番号を精算機に入力して、料金を支払ったらロックが外れるアレです。
用事を済ませていざ自転車を出庫しようとしたときに、事件が起きたのでした。
どういうこと?
精算機にロック番号を入力してお金を入れたので、すぐに自転車の元に行って自転車を引き出そうとしたのですが、ロックが外れません。
おかしいなと思いつつ、精算機に戻ってみると受付前の画面に戻っていました。
返却口を確認してみても、入れた硬貨はありません。
入れた硬貨は精算機に飲み込まれてしまったんです。
ツイてないなと思いつつ、もう一度、精算作業をしたのですが、今度は硬貨を入れても戻ってきてしまいます。
戻ってきた硬貨を入れ直してみても、返却口に落ちてきます。
この硬貨が使えないのかと思い、財布から別の硬貨を選んで投入します。
カタンッ
硬貨は虚しく返ってきます。
何度か繰り返したのですが、やっぱり硬貨が戻ってきます。
なのでもう一度最初からやってみようと考え、操作をリセットしてやり直してみても、硬貨は戻ってくる。
十円も、五十円も同じように戻ってくる。
ふと背後に気配を感じたので振り返ると、4,5人の人が待っている状態。
このまま僕の操作で待たせるのは忍びないので、後ろの人に譲りました。
すると後ろの人も硬貨が戻ってくるので、精算できません。
ここで精算機に不具合が起きていることが明確になったのでした。
問い合わせてみると
そこで即座にスマホで、駐輪場の看板に書かれているサポート番号に連絡を入れます。
「順におつなげします」
という無機質なアナウンスが流れ、待たされることに。
その駐輪場は日陰ができるような場所ではないので、肌を刺す日差しが降り注いでいます。
すでに汗だく状態。
他の待っている人たちも、ハンカチで汗を拭っています。
顔も背中も汗が流れ落ちるなか、ようやく担当者に電話が繋がりました。
そこでいま起きていることを伝えると
「精算機が不具合を起こしているかもしれないので、サービス担当のものを向かわせます」
といった返事が返ってきます。
サービスの方が来るのにどれくらいの時間がかかるかを聞くと、早くて40分ほどかかるとのこと。
「いやいや、この暑い中そんな時間待ってられないので、自転車のロックを外してください」
と伝えると
「わかりました。こちらからロック解除の信号を出すので、自転車のところに行ってください」
とあり、自転車までもどり伝えると、ロックを解除してもらえました。
自転車を引き出し、ようやく帰宅できるのですが、待っている人はまだまだいます。
「僕の自転車は取り出せました。でも他にも待っている方がいらっしゃるので、他の番号を聞いて伝えるので、同じように解除してください」
「いや…、それが決まりでできないんです」
「なんでできないんですか?」
「会社のルールで、一案件につき一つの対応しかできないという決まりなんです」
「でも精算機が不具合を起こしているのはそちらの問題で、それにこちらが付き合うことはないですよね。どのみちこの電話を切ったとしても、同じような電話がこれから5,6回連続ですることになるだけですよ。それなら今この電話で解決したほうが、お互いに時間も労力も無駄にならなくてwin-winじゃないですか?」
「それでもできないんです。申し訳ありません」
「本当にできないんですか? 結果的に同じですよ?」
「申し訳ありません」
「わかりました。ではその旨、いま待っておられる方に説明しておきます」
「お手数をおかけして、申し訳ありません」
電話の話は待っている方にも聞こえていたので、そこまで詳しく説明する必要はありませんでしたが、やはり柔軟な対応ができないことに、多少の憤りを感じているようでした。
ルールも大事だけど
今回のことは、これから同じ作業が繰り返されることが確定しているなか、それでもルールを守る必要はあるのかということを考えるのに、最適な出来事ですよね。
利用者側がサポート担当に見えない状況を適切に伝えているのですが、ルールに縛られていると臨機応変な対応ができなくなってしまいます。
「一案件につき一つの対応」というルールについても、解釈の仕方を変えてしまえば、「複数のロックを外す」という一つの対応にまとめることも可能です。
このような状況に合わせた思考ができるのなら、暑い日差しのなか繋がりにくい電話をかけることなく、待っていた人全員が自転車に乗れていたわけです。
硬直した思考しかできないというのは、被害を受けている人にネガティブな感情を起こしやすくなってしまいます。
こうした硬直した思考に陥る原因の一つに、責任問題があるといえます。
自分の一存で行動をしたとき、後から追及を受けたくないという、自己保身のためにルール通りにしか対応しないといったことになってしまいます。
もちろんその気持ちは分かるのですが、問題の原因の責任がどこにあるかを考えれば、ここまで頑なになることもないとは思うんですけどね。
今回の状況でもしあなたがサポート担当だったら、どのような対応をされますか?
こういったことを他人事として受け取るのではなく、自分事として受け取り考えることで、また新しい気づきを生んでくれたりもします。
ぜひ、あなたの考えを教えてくださいね。
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