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完璧主義との付き合い方

 

「もっとちゃんとやらなきゃ」

「失敗したら全部がダメになる気がする」

そんなふうに感じてしまうこと、ありませんか?

 

完璧を目指す姿勢は、真面目で責任感が強い証かもしれません。

ですがその分、自分を追い詰めてしまうことも多いのではないでしょうか。

 

ミスを恐れて行動できなくなったり、終わらないタスクに疲弊したり、「こんな自分はダメだ」と自己否定が募ったり……

「完璧主義」は、一見すると向上心のようでいて、じつは心の自由を奪う鎖にもなってしまうのです。

 

今回はそんな「完璧主義」のメカニズムと、少しずつ手放していくためのヒントを、心理学や脳科学の視点も交えてお伝えしたいとおもいます。

 

 

完璧主義とは

 

完璧主義というと、ストイックで強い人のイメージがあるかもしれません。

でも実際は、その背景に「安心したい」という繊細な心の働きが隠れていることが多いんです。

 

たとえば、「失敗したら嫌われるかもしれない」「中途半端だと評価されない」といった不安や恐れ。

それらを避けるために、100点を目指さずにはいられなくなるのです。

 

心理学ではこれを「条件つきの自己肯定感」と呼びます。

「ちゃんとできた時だけ、自分には価値がある」と思い込んでしまう状態です。

 

これは決して性格の問題ではなく、育ってきた環境や過去の経験によって自然と身についたこころの守り方なんですよね。

 

完璧を目指すこと自体が悪いわけではありません。

ただ、それが「そうしないと自分を許せない」ものになってしまうと、心がどんどん疲れてしまいます。

まずはこれまでの完璧主義は、「自分が安心して過ごすことができる手段」だったことに気づくことが、大きな一歩になります。

 

 

脳は「曖昧さ」が苦手

 

脳科学の観点から見ると、私たちの脳は確実で安全なものを好みます。

「終わった」「完了した」「これで正解」とはっきりした状態が大好きなんです。

 

そのため、どこかに「未完成」や「ミス」があると、脳はそれを危険信号として捉えてしまい、不安になったり、そこにばかり意識が向いてしまうのです。

 

この特性があるからこそ、「完璧にしないと落ち着かない」という感覚が生まれます。

でも実はこの反応、少しずつトレーニングすることで変えていくことが可能です。

 

たとえば、「今日は60点で終わらせてみよう」と意識的に自分にOKを出してみる。

最初は落ち着かないかもしれませんが、「それでも何も壊れなかった」という体験を重ねることで、脳は少しずつ安心できるようになります。

 

完璧主義の裏にある「不安に耐えられない脳」を、ちょっとずつ慣らしていく。

これが、心と脳を柔らかくするリハビリになるんです。

 

 

完璧主義のサインとは?

 

完璧主義の意外なサインのひとつに「先延ばしグセ」があります。

実は、「失敗したくない」「ちゃんとやらなきゃ」という思いが強すぎると、なかなか行動に移せなくなってしまうことがあるんです。

 

「もっと準備してから」「まだちゃんとわかってないから」と、理想を高く掲げすぎて身動きがとれなくなる。

これも完璧主義の影響です。

 

でも、動けない自分を「怠けている」と責める必要はありません。

むしろ、「慎重で繊細な心の持ち主なんだ」と、まずは自分を認めてあげることが大切です。

 

そのうえで、「完璧でなくても、まずは小さな一歩を踏み出す」ことを意識してみましょう。

 

たとえば、企画書のタイトルだけ書いてみる、5分だけ着手してみる。

そんな些細なアクションでも、「できた」という手応えが自信につながっていきます。

 

 

完成より、継続を選ぶ

 

完璧主義の人は、「完成度」で自分の価値を測りがちです。

でも、本当に大切なのは「やりきったかどうか」よりも、「続けていけること」かもしれません。

 

たとえば、毎日10分だけ日記を書くことを1年続けた人と、1日だけ3時間の完璧なエッセイを書いた人とでは、どちらがより大きな成果を得られるでしょうか。

 

習慣化や継続性は、自信や自己効力感を育む土台になります。

「今日は70点だけど、明日もやってみよう」そんなふうに、自分のペースで続けることを評価軸にしてみませんか?

 

 

ゆるくても、やっている

 

完璧主義を手放すために、最後に大切なのは「どんな自分にもOKを出せる感覚」を育てていくことです。

心理学では「自己受容」と呼ばれるこの感覚が、心の安定とレジリエンス(回復力)の土台になります。

 

「できなかった日もあるけど、それでも続けようとしている自分ってえらいな」

「今日はちょっと雑だけど、ちゃんと向き合ってるな」

 

そんなふうに、自分にかける言葉を少しずつ変えていくことが、自己否定のループから抜け出す鍵になります。

 

 

 

完璧主義は、強さの証ではなく、安心を求める心のクセでもあるんですね。

 

でも、心と脳は「安心する練習」をすれば、少しずつ「ほどよさ」にも慣れていくことができます。

 

100点を目指す代わりに、今の自分に〇(マル)をつけてみること。

「できたこと」に目を向けて、自分自身に優しいまなざしを向けること。

 

それが、もっとのびのびと生きていく力につながっていきます。

「そのままで、よくやってるよ」と自分に声をかけてあげてくださいね。

 

 

 

 

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