
あなたの近くにいる上司で
「前はもっと優秀だったのになんでダメになったんだ?」
そんな違和感、感じたことはありませんか?
努力を重ねて評価され、ポジションが上がるのはとても喜ばしいことです。
でも、その先に待っているのが「その人がもっとも無能になるポジション」だとしたらどうでしょう?
これは「ピーターの法則」と呼ばれる理論で、能力主義社会にひそむ落とし穴を示しています。
このピーターの法則を紹介しながら、「自分が無能になる前にできること」について考えたいと思います。
今回の内容はきっと役に立つと思うので、最後までぜひ読んでくださいね。
ピーターの法則とは?
1969年、教育学者ローレンス・J・ピーターが提唱した「ピーターの法則」。
これは、「階層社会において、人は有能である限り昇進し続け、最終的には無能になる地位に到達する」という理論です。
たとえば、優秀な営業マンが昇進してマネージャーになったものの、人をまとめる力がなくチームが崩れてしまう……。
こうした場面、現実にもよく見かけるのではないでしょうか?
ピーターの法則が示すのは、評価される能力と、次の職位に求められる能力は必ずしも一致しないということです。
昇進はゴールではなく、むしろ新たな挑戦の始まりでもあります。
では、その落とし穴にはまらないためにはどうすればいいのでしょうか?
「一つ上の仕事」を意識する
ピーターの法則に抗う第一歩は、いま目の前の業務に加え、「次のレベルの仕事」を少しずつ意識して取り組むことです。
たとえば、一般社員であればチーム全体の動きを見る視点を養ってみる。
リーダーであれば、マネージャーがどんな基準で判断しているのかを観察してみる。
そんなふうに、「自分の少し上」の仕事を知ろうとする姿勢が、次のステージで求められるスキルを無理なく育ててくれます。
このとき大切なのは、「今の自分にはまだ早い」と決めつけないこと。
未来の自分を先取りするようなつもりで、楽しみながら取り組んでみてください。
そうすることで、いまのポジションに求められるものも明確になるので、仕事の成果も出やすくなりますよ。
“視点”を身につける習慣
一段上の仕事に求められるものは、スキルそのものよりも“視点”の違いであることが多いんです。
ここで言う“視点”というのは、物事を見る角度や捉え方の変化を意味します。
たとえば、今までは自分の成果だけを見ていた人が、チーム全体の動きや会社全体の目的に目を向けられるようになる。
あるいは、短期的な成功だけでなく、長期的な信頼関係や組織の持続性を重視するようになる。
このように、役職や立場が変わるにつれて、物事の「見え方」や「意味づけ」が変化していくことが、仕事における本質的な成長なのです。
これはまさに、立場が上がることで求められる役割の変化といえます。
そして残念なことにこの視点は、ある日突然身につくものではありません。
日常の中で、「これは上司ならどう見るだろう?」と問いかけたり、「今の業務の意義はどこにある?」と立ち止まって考えてみたりしながら、少しずつ育てていくしかないんですね。
キャリアの本質を考える
よく「チャンスは準備された人に訪れる」と言いますが、ピーターの法則に陥らないためにも、もう一つ重要なのは「自己理解」です。
どれだけスキルを高め、先回りして学んでも、自分の強みや弱み、向き不向きを知らずに昇進してしまうと、結果的に「合わないポジション」で苦しむことになりかねません。
たとえば、人との調整が得意な人と、集中して黙々と取り組むのが得意な人では、向いている役割も評価されるポイントも異なります。
キャリア形成は単なる能力開発だけではなく、「自分らしく成果を出せる環境や働き方とは何か?」を深く知るプロセスでもあるんですね。
キャリアの道は一つではありません。
昇進だけが成功ではなく、「どのように働き、どんな状態で自分らしさを発揮できるか」を探ることが、長期的な幸福や満足感にもつながります。
自分の価値観や志向性と向き合うことで、昇進しても「自分らしく働き続けられる土台」ができます。
焦らず、まずは小さな「自分観察」から始めてみるのも、大切な準備の一つです。
ピーターの法則は、私たちにキャリアの本質を問いかけてくれる重要な法則といえます。
この法則を意識するというのは、「どこまで昇進できるか」ではなく、「自分らしい成長とは何か」を考えるきっかけにもなります。
昇進は自分らしい仕事ができる手段であり、目的ではありません。
その先で力を発揮するために、今できることを見つけ、一歩ずつ準備していくこと。
それが本当の意味でのキャリア形成ではないでしょうか。
だからこそ、焦らず、自分のペースで、「一つ上」の目線を持つことから始めてみませんか?

Kindleで電子書籍を出版しました
出版一週間で
- ストレス管理部門
- ビジネス・経済スキル部門
- ビジネス・経済部門
- ビジネスコミュニケーション部門
- 実践経営・リーダーシップ部門
- 自己啓発部門
- 心理学部門
など、計13部門で一位を獲得。
Kindle Unlimited会員の方は無料で読むことができます。
書籍ページはコチラ
↓ ↓ ↓
コメントをお書きください