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つい仕事を先延ばしにしてしまうのはなぜか?

 

やらなければいけない仕事が目の前にあるのに、なぜか机の上を片づけ始めたり、急にメールを確認したくなったり…。

気がつけば「もうこんな時間!」と焦ってしまった経験は、きっと誰にでもありますよね。

 

頭では「早く取りかからないと」とわかっているのに、身体が動かない。

この“先延ばし”は決して怠けているからではなく、私たちの脳や心の仕組みと深く関係しているんです。

 

では、なぜ私たちは先延ばしをしてしまうのでしょうか?

そして、どうすれば「すぐに行動できる自分」に近づけるのでしょうか?

 

今回はその心理的な背景と、すぐに試せる工夫をお伝えしていきます。

きっと日常の仕事に役立つと思うので、最後までぜひ読んでくださいね。

 

 

先延ばしはやる気の問題ではない

 

「やる気さえあれば、すぐに始められるのに」と考えがちですが、実際にはやる気は行動の結果として生まれることが多いと言われています。

心理学者のアジェンは「計画的行動理論」のなかで、人の行動は「態度」「周囲の期待」「自己効力感(できると思える力)」のバランスで決まると説明しています。

つまり、“やる気”が自然に湧くのを待っていても、なかなか動き出せないのは当然なのです。

 

さらに、脳の仕組みも関わっています。

脳には「大脳辺縁系」という感情を司る部分と、「前頭前野」という理性や判断を司る部分があり、先延ばしはこのせめぎ合いで起こります。

 

目の前の快楽を求める辺縁系と、長期的な目標を意識する前頭前野。

その綱引きの際、疲れているときやストレスが強いときほど、短期的な快楽が優先されやすいんですね。

 

なので「今日は疲れたから、明日やろう」と自分に言い訳してしまうのは脳が自然に選んでいることなんです。

決して怠け癖ではなく、脳の働き方によるものなんですね。

 

 

「タスクが大きすぎる」と脳はフリーズする

 

たとえば「報告書を作成する」というタスクがあったとします。

 

この時点では「何から始めればいいのか」が曖昧です。

結果的に「やることが多そう」「終わるまでに時間がかかりそう」という漠然とした負担感が生まれて、脳は無意識に避けようとします。

これを心理学では曖昧性回避と呼びます。

 

また、大きなタスクはゴールが遠く感じられるので、“大変さ”が目の前に大きく立ち塞がることになります。

10日かけて100メートルを100回歩く」のと、「10日かけて10,000メートル歩く」では、後者のほうが大変な感じがしませんか?

このように最初から完成を目指すと遠すぎるゴールに圧倒され、動けなくなるのです。

 

実践のポイントは、タスクを目に見える形で分解すること。

たとえば「資料を完成させる」を

必要なデータを集める → ②骨組みだけ書く → ③図を入れる → ④推敲する」と区切ると、脳は「小さなゴール」を見つけやすくなります。

これだけで先延ばしがぐっと減るんですよ。

 

 

行動科学が教える「5分ルール」

 

「やる気がないと動けない」という思い込みを打破するのが作業興奮です。

 

これは心理学者クレペリンが提唱した概念で、「人は一度作業に取りかかると、徐々に集中が高まり、続けやすくなる」というものです。

つまり行動に火をつけるのはやる気ではなく、最初の一歩なんです。

 

例えば「メールを整理するの面倒だな」と思ったときに、「まず未読を3件だけチェック」と決めれば、気づけば10件、20件と進んでしまうことも多いですよね。

これは脳が続けた方が楽だと判断するためです。

 

さらに応用として、「5分やるための儀式」を決めておくと効果的です。

お気に入りの音楽を1曲かけながら取りかかる、タイマーをセットしてゲーム感覚で始めるなど、行動のきっかけをつくるとスムーズに動けますよ。

 

 

完璧を求めすぎないことがカギ

 

また、完璧主義は一見ポジティブに聞こえますが、行動科学の観点では行動の最大のブレーキでもあります。

なぜなら「完璧にできなければ意味がない」と考えるほど、最初の一歩が重くなってしまうんです。

 

「完璧主義は自己改善ではなく、不安を隠すための防衛反応」と主張する心理学者もいます。つまり「失敗したらどうしよう」という不安から、自分を守るために始めない選択をしてしまうのです。

始めなければ結果は絶対にやってこないので、失敗が起こることもないですよね。

 

そこで有効なのが「60点スタート理論」です。

これは「まずは60点くらいで形にすることを目指す」という考え方です。

企画書であれば荒いメモからでもいいし、プレゼン資料であれば仮タイトルからでもOK

修正は後からいくらでもできます。

 

むしろ「未完成でもOK」と割り切ることで、行動のハードルが下がり、結果的にクオリティも高まることが多いんです。

 

日常生活でも、この考え方は役立ちます。

料理なら「レシピ通りでなくても、まずは作ってみる」、運動なら「完璧な30分ではなく、5分だけストレッチ」など。

こうした完璧を目指さない始め方が、継続と成果につながっていくんですね。

 

 

 

仕事を先延ばしにしてしまうのは、意志の弱さではなく、脳の仕組みや心理的な不安が影響しています。

大切なのは、行動のハードルを下げて「小さく始める」こと。

 

  • タスクを細分化する
  • 5分だけやる」と決める
  • 完璧を目指さず60点から始める

 

この3つを意識するだけでも、先延ばしのクセは少しずつ変わっていきます。

「やらなきゃ」と悩むより、「とりあえずやってみる」と軽く考えてみてくださいね。

きっと、仕事との向き合い方が少し楽になるはずですよ。

 

 

 

 

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