私たちは日常の中で、数字に囲まれて生きています。
仕事の数値目標、家計の数字、さらには占いやジンクスに出てくる数字まで、さまざまな場面で「数字」が出てきますよね。
その中でも、昔から特別視されてきたのが「3」という数字です。
「三度目の正直」「二度あることは三度ある」「仏の顔も三度まで」「三位一体」など、ことわざや慣用句にも頻繁に登場しています。
なぜ「3」はこれほど人に響くのか。
完全に解明されているわけではありませんが、心理学や脳科学の観点からも面白い理由が見えてきます。
ということで今回は、人を納得させたり安心させたりする「3という魔法の数字」についてお伝えしますね。
なぜ「3」は心地よく感じられるのか
人間は複雑な情報をそのままでは処理しにくいため、脳が勝手に「まとまり」を作ろうとする性質を持っています。
心理学ではこれを「ゲシュタルト原則」と呼び、特に「3つでひとまとまり」として認識する傾向が強いと言われています。
たとえば、文章の箇条書きを見てみると「2つ」だと少し物足りなく、「4つ以上」になると多すぎて覚えにくいと感じませんか?
ところが「3つ」だと自然に「ちょうどいい」と思えるんです。
これは人間のワーキングメモリ(作業記憶)の容量にも関係していて、私たちの脳は一度に処理できる情報が限られているからこそ、3つが最適に感じられるんですね。
さらに面白いのは、この「3つがちょうどいい」という感覚が文化を超えて存在していることです。
日本のことわざだけでなく、西洋にも「Third time’s the charm(三度目の正直)」という言葉があります。
人類共通で「3」は納得感を与える数字だと考えると、とても不思議ですよね。
褒め言葉も「3回」で効いてくる
「人は3回褒められると、それを事実だと感じやすくなる」という話を聞いたことはありませんか?
これは心理学で「単純接触効果」と呼ばれる現象と関係しています。
繰り返し接すると安心感や信頼感が高まるという効果で、褒め言葉も同じように繰り返されることで心に定着していきます。
一度だけ褒められても「たまたま言ったのかな」と流してしまう人も、3回繰り返されると「この人は本当に自分のことをそう思ってくれているんだ」と受け取るようになるんです。
これは職場での部下指導や、家庭での子育て、さらには恋愛関係でも役立ちます。
たとえば「いつも丁寧に仕事してくれて助かるよ」「今日の説明わかりやすかったよ」「あなたがいると雰囲気が和むね」と、少しずつ違う言い方で3回伝えると、相手は本当に自分にその価値があるのだと確信し、自信を持ちやすくなるんです。
「3回の褒め」が人の自己肯定感を支える。これはすぐに実践できる魔法のテクニックなんですね。
プレゼンやスピーチで「3つの理由」を使う
ビジネスの場で人を説得したり納得させたりする際にも、この「3の魔法」は大活躍します。
プレゼンで「この企画を採用するべき理由は3つあります」と切り出すと、それだけで聞き手は「なるほど」と集中し始めるんです。
なぜなら、3つという区切りは「理解できる」「覚えられる」「信じやすい」という3つの効果を同時に生むからです。
もし10個の理由を並べられたとしたら、人は疲れてしまい、結局どれも頭に残りません。
でも3つなら、ひとつのまとまりして記憶に残り、説得力も増すんです。
また、3つの理由を「意外性のある順番」にするとさらに効果的です。
たとえば、最初に「安心感」、次に「効率性」、最後に「将来の成長」といった具合に、だんだん広がっていくように構成すると、聞き手は自然に納得の流れに導かれます。
つまり、「理由は3つ」と言うだけでプレゼンの質はワンランク上がるんです。
「3」という数字が与える安心感
「3」が人に安心感を与えるのは、心理学や脳科学の説明だけでなく、文化的背景も大きいと言われています。
日本の伝統行事でも「三三九度」「三本締め」など、区切りやお祝いに「3」が登場しますし、西洋の宗教でも「父と子と精霊」という三位一体の考え方が根付いています。
こうした文化的な積み重ねが、人の無意識に「3は特別で、安心できるもの」という印象を与えているのかもしれませんね。
実際、広告やマーケティングでも「3点セット」「3つの特典」といった表現は非常に多く、消費者の心をつかむ強力な手段になっています。
言い換えれば、「3」という数字は人類の文化と心理に深く結びついた“安心のシンボル”なんですね。
「3」を味方につけよう
人間関係や仕事での成果を高めたいとき、特別なスキルや難しい理論を覚える必要はありません。
「3」という数字を意識するだけで、驚くほど相手に伝わりやすくなるんです。
・褒め言葉は3回繰り返す
・理由は3つにまとめる
・相手の特徴も3つずつ整理する
こうした小さな工夫だけで、相手の受け取り方は大きく変わります。
そして不思議なことに、自分自身も「3で整理する」ことに慣れると、考えがスッキリまとまりやすくなるんです。
もし今、人に伝えるのが苦手だと感じているなら、まずは「3を使う」ことから始めてみてくださいね。
Kindleで電子書籍を出版しました
出版一週間で
- ストレス管理部門
- ビジネス・経済スキル部門
- ビジネス・経済部門
- ビジネスコミュニケーション部門
- 実践経営・リーダーシップ部門
- 自己啓発部門
- 心理学部門
など、計13部門で一位を獲得。
Kindle Unlimited会員の方は無料で読むことができます。
書籍ページはコチラ
↓ ↓ ↓

コメントをお書きください