「スタンフォード監獄実験」というものをご存知でしょうか。
看守役と囚人役に分けて、模擬刑務所に1週間滞在させることで、どのような態度を取るようになるのかを調べる実験です。
実験が始まると、看守役はどんどん傲慢な態度を取るようになり、逆に囚人側は卑屈な態度を取るようになっていきます。
少しでも囚人が抵抗を示すと、身体的・性的な懲罰を加えるようになり、それがエスカレートしていき、予定より早く実験を終了せざるを得なくなりました。
この実験によって、善良な人を悪い環境に置くと、物事はあっという間に悪い状況に進むという示唆を得ることができた…。
といった心理実験でした。
もしかしたらあなたも一度は、耳にしたことあるかもしれません。
ですがこの実験そのものが、ねつ造されていたという事実が出てきたのです。
そもそもあなたならどうする?
実験の裏でどのようなことがあったかをお伝えする前に、まずあなたが看守役として実験に参加したとき、初対面の囚人役相手に残虐な懲罰を与えると思いますか?
刑務所のような場所に入って、ただ役割を与えられて
「あなたは看守として振る舞ってください」
とだけ言われたとき、どのように振る舞うでしょう?
そもそもの話として看守がどのような役割なのかをイメージできなければ、看守らしく振る舞うことがまず難しいですよね。
囚人たちは牢屋に入れられて自由はありません。
しかし、運動や食事、入浴などのスケジュールは決まっているので、囚人にスケジュールを守らせる必要はあります。
実験のなかで看守がすることと言えば
・スケジュール通りに運営する
・囚人がルールを守るように監視する
・トラブルが起きたときは解決のために努力する
といったくらいのことでしょう。
囚人側は囚人側で
「あなたは囚人として牢屋に入れられ、自由行動は制限されます。刑務所のスケジュールに沿って、規則正しい生活を送ってください」
と言われたなら、実験と分かっているので、それほど抵抗なく指示に従うでしょう。
このような状況で看守役であるあなたは、囚人に対して傲慢な態度を取ったり、警棒で殴りつけたり、尊厳を奪うような罵りを囚人に与えるでしょうか?
おそらくほとんどの人は「そんなことはしない」と考えるでしょう。
なぜなら、看守役という役割以前に「良心」が備わっているので、人を傷付けるようなことはしたくないと、当たり前のように考えるのではないでしょうか。
ですがこの実験では、看守は苛烈と言っていいほど囚人に対して横暴な態度を取るようになったのでした。
参加した看守役がサディスティックな傾向が強かったのでしょうか?
そんな人ばかりを集めるのは難しいでしょう。
参加者は操作されていた
この実験を指揮したのは、スタンフォード大学の心理学者であるフィリップ・ジンバルドー。
そして参加者はスタンフォード大学に通う学生です。
ジンバルドーは刑務所長官役となり、看守役のメンバーに対して、トイレの制限・高圧的な態度・独房監禁・断眠など、囚人たちに自分の生活が完全に看守に支配されているという理不尽さを与えて良いと説明します。
それを聞いた学生の中には、こんな実験に参加したくないと抵抗を示す人もいたのですが、この実験がどれほど今後の心理学に役立つのか、その一員として取り組んで欲しいと強く説得をしていました。
教授と学生という立場のため、権威からの指示ですのでなかなか断れません。
学生たちはしぶしぶ参加するわけですが、その態度があきらかに消極的だったときは、もっと積極的に囚人を支配するようにと介入したのです。
つまり役割を与えられただけでなく、高圧的な態度は心理学に貢献するといった教育、そして教授という権威からのプレッシャーが存在するなかで行われた実験だったのです。
このような操作があったのなら、この実験はまさに作られた結果でしかありません。
ですがそういった裏の操作は隠されたまま、実験目的とその結果だけがセンセーショナルに発表されたのでした。
非常にわかりやすく衝撃的な内容のため、環境における影響についての教材として世界中で使われていました。
しかし2019年、社会学者で映画監督でもあるティポー・テクシエが「スタンフォード監獄実験の偽りを暴く」と題した論文を発表したことで、実験に介入があったことを明らかにしたのでした。
影響は受けるが
人は確かに環境からの影響を受ける生き物でもあります。
ですがその前に、自分はどのような人間で在りたいのかといった、アイデンティティが優先される生き物でもあります。
そういった揺るぎない軸を持つことで、環境に左右されずに自分を保つことができるのです。
そして自分の軸を明確にするためには、自分はどんな価値観を持っているかを明確に把握することが大切と言えます。
人はそれぞれの心の中に「価値観」を宿しています。
ですが普段の生活のなかで、価値観が意識されることはありません。
何か出来事があったときにだけ価値観が活性化され、そのときの反応が決定されます。
このとき価値観が不明なまま過ごしてしまうと、価値観に操られることになってしまいます。
ですが自分がどんな価値観を持ち、その価値観が自分にとって不利益に働いているのなら、それらを取り除き、より相応しい価値観に入れ替えることもできるようになります。
外部からの影響を最小限にするためにも、自分自身の価値観を明確に把握することが大切なんですね。
最後は自分軸が大切だということに落ち着きましたが、今回紹介したように、いまそれが正しいと思われている説も、もしかすると隠れた裏があるかもしれません。
全ての情報を疑いだすときりがありませんが、それでも自分なりに考えるという習慣を持つことは、大切かもしれません。
ほんの少し立ち止まって考えてみる。
そういった意識を持つのもいいかもしれないですね。
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