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良かれと思った一言が…

 

褒めたつもりなのに、相手の表情が固まった。

励ましたつもりなのに、距離ができた。

そんな経験は、ありませんか?

 

言った側は良かれと思っているのに、言われた側はなぜかモヤっとしてしまう。

ここにはアンコンシャスバイアス、つまり無意識の偏見が関わっていることがあります。

 

偏見と聞くと怖いものに感じますが、実は脳の省エネの仕組みとも言えます。

ということで今回は、会話の中ですれ違いが起きる理由と、今日から使える言い換えの方法を紹介しますね。

 

 

 

自分にとって当たり前

 

アンコンシャスバイアスは、相手のことが嫌いだから生まれるものではありません。

日常の判断を素早くするために、深く考えることなく自動的に動くことで起こってしまうんです。

 

初対面の人を見たとき、私たちは無意識に見た目から、年齢、性格、立場、雰囲気などの手がかりから相手がどんな人かを自動的に判断します。

でもその判断に使っている材料は、これまでの自分の経験が元になっています。

そこに落とし穴があるんですね。

 

たとえば「若いのにしっかりしてる」は一見ほめ言葉のようですが、その裏側に若い人はしっかりしていないはずという前提が隠れています。

「女性なのに理系なんだね」というのも、理系は男性が普通という前提がありますし、「外国人なのに日本語が上手」は、外国人は日本語が上手ではないはずという思い込みがあったりします。

 

そしてややこしいのは、こういった思い込みは自分にとって「当たり前」なことなので、それが偏見であることに気づかないんですね。

そのため、何一つ悪いと思っていないので、つい言葉にしてしまって空気が変になるなんてことが起こるんです。

 

 

3つのパターン

 

アンコンシャスバイアスが起こりやすい典型的な場面を3つご紹介します。

ここに気を付けるだけで、微妙な空気になる言葉を言わなくて済むようになるので、ぜひ知っておいてくださいね。

 

①:褒め言葉

これは多くの人がやりがちなことなんですが「◯◯なのに、△△なんですね」といった言い方です。

 

例えばですが先ほどもお伝えしたように「若いのにしっかりしている」とか「男性なのに料理が得意なんですね」「女性なのに論理的なんですね」など。

今回は例なので少し極端な表現にしましたが、こういった言い回りって意外と多かったりするんです。

 

でもこれって、「◯◯」という属性のなかでは珍しいといった意味でしかなく、まったく褒め言葉になっていないんです。

とくに性別でひとくくりにしたような言い方をしてしまうと、相手を不愉快にさせることになる可能性も高いので注意が必要です。

 

この辺りは男女の役割が明確だった昭和世代には多い言い方なので、とくに注意が必要だったりするんですね。

 

②:気づかいの言葉

例えば、「育児中で大変そうだからこの案件は外しておくね」というのは、言った側は気づかいのつもりでも、言われた側からすれば確認をされることなく、仕事から外されたように感じます。

本当は心配しているのに、役立たずだと思われていると相手にはうつるかもしれません。

 

その他にも「文系だと数字は苦手ですよね」なんかも、心配や親切のつもりであっても、相手の可能性を狭めるような決めつけになってしまいます。

 

③:役割決め

自分は適材適所のつもりでもそれが「男性だからリーダーをお願い」「年上なんだから我慢して」「前職は◯◯だからできるでしょ」など、属性を基準にしたものだと、多くの場合でずれた配置になってしまいます。

 

これはその人本人の能力や特性を見ているわけではないので、こういった視点で配置されると、された側にはずっとモヤッとしたものが残ることになってしまうんですね。

 

 

なぜモヤるのか?

 

人はそれぞれ「自分らしさ」というものを、多かれ少なかれ自覚しています。

そして自分らしく在りたいとも考えているんですね。

 

それを心理学では「自己決定感」と呼びます。

人は誰でも、自分のことは自分で決めたいと思っているんです。

そこでもしも、自分のことを本当に理解してくれた上で、相手から押しつけられることなく、新しい選択肢を提示してくれたのなら、気持ち良く受け取れます。

でも、文系・理系・男性・女性・年配・若いといった属性だけで割り振りされると、人として見られていない感じがして不満が生まれたりします。

 

その他にも、過去の経験からくる痛みといったこともあります。

例えばこれまでずっと「男性だから、女性だから」といった理由で、勝手な扱いをされて嫌な思いをしていたなら、同じような対応をされたときにまた傷つくことになってしまいます。

 

アンコンシャスバイアスは、属性に対する思い込みでもあるので、人を見ずにあれこれ言ってしまう場合があるんです。

 

 

言い換えのコツ

 

簡単に言うと「属性を使わない」ことや「決めつけしない」ことを意識すれば問題ありません。

 

例えば、「若いのにしっかりしている」というのは属性を活用した言い方ですよね。

そうではなく、「しっかりしている事柄」を言葉にしてあげるんです。

 

・進捗の共有がとても丁寧で安心できた

・先回りでリスク対応してくれた

・忙しくて忘れがちなタスクの確認をしてくれた

 

こういった伝え方をすれば相手は「自分のことを見てくれている」と感じるので、褒め言葉を気持ち良く受け取ってくれるようになります。

 

 

決めつけしないことでいうと

「育休明けで大変だろうから、このプロジェクトからは外しておくね」

なんて言われたら、戦力外宣告を受けたようなものですよね。

これでは言った人の気づかいは一切伝わりません。

 

そこで大切なのは、確認なんです。

「いつもならこのプロジェクトはあなたにお願いするんだけど、育休明けでまだ大変な時期と思います。それでも任せることはできるかな? もちろん調整が必要なら言ってくれたらできる範囲で対応もするけど、どうする?」

 

といったように気配りをするのなら、これまでと同じスタンスでやってもらうことを前提にして、今の状況だからこそのフォローで示せばいいんですね。

 

こうした意識を持つだけでも、相手を不快にさせない言い方ができるようになるんです。

 

 

 

アンコンシャスバイアスは、誰もが持っているものです。

なのでそれが悪いというわけではありません。

 

大切なのは、そういった思い込みがあるから大雑把なコミュニケーションになる可能性があると自覚することなんですね。

そうすることで、「属性からの決めつけ」を手放すことができて、目の前の人を個別の存在として見ることができるようになります。

 

一人ひとりに丁寧に向き合うことが相手を尊重することに繋がるので、アンコンシャスバイアスを逆手にとって、適切な対応を考えてみるのも面白いですよ。

 

 

 

 

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