人間関係でしんどくなる瞬間って、相手の言動そのものよりも、そこにどんな意図があるのかを考え始めたときだったりしますよね。
返信が遅いだけで嫌われたのかもと思ってしまったり、言い方がそっけないだけで見下された気がしたり。
そうやって相手の気持ちを想像しているうちに、心がどんどん疲れていくことがあります。
でも実際には、相手が悪意を持っているとは限りません。
単に余裕がなかっただけ、見落としただけ、言い回しが不器用だっただけ、ということも多いんですよね。
ここで役に立つ考え方が「ハンロンの剃刀」という考え方です。
ということで今回は「ハンロンの剃刀」の考え方を活用して、人間関係を守る考え方についてお伝えしていきますね。
「ハンロンの剃刀」とは?
まず最初にお伝えしたいのは「反論の剃刀」ではありません。
アメリカ人のロバート・J・ハンロンという人が提唱した考え方なんです。
ただ面白いのが、ハンロンさんは哲学者でも心理学者でも、社会学者でもない、普通の人だということ。
そして「ハンロンの剃刀」の意味は
“無能(不注意や愚かさ)で十分説明がつく事柄を、悪意のせいにしてはならない”
となります。
ここで言う無能という言葉は、能力が低いという意味だけではありません。
余裕がない、確認が甘い、気が回らない、疲れている、そういった状態も含めての話です。
人は誰でも、コンディションが悪いときには雑になりますよね。
普段なら丁寧に返せるメッセージも、忙しいと短くなったり、そっけなく見えたりします。
予定の確認も、余裕がないと抜けることがあります。
こうした出来事が起きたとき、私たちはつい、相手に悪意があったと考えてしまうことがあるんです。
でも、悪意として受け取った瞬間に、相手に対して仕返しをしたくなったりします。
言い返したくなる、距離を取りたくなる、相手を信用できなくなる。
そうして関係がこじれていくこともあるんですね。
つまりハンロンの剃刀は、相手のためというより、こちらが無駄に消耗しないための心の持ち方なんです。
もちろん、何でもかんでも相手を擁護するという話ではありません。
大切なのは、悪意と断定する前に、他の可能性を一度検証してみようってことです。
そうするだけで、不要な衝突や誤解を減らすことができるんですね。
なぜ悪意を感じるのか?
でも不思議だと思いませんか?
なぜ私たちはすぐに悪意に見えてしまうのでしょうか?
これは性格がひねくれているからでも、ネガティブだからでもありません。
多くの場合で、自分を守ろうとしているだけなんです。
人は、傷つきたくないときほど、相手の言動を警戒して見ます。
返信が遅いのは嫌われたサインかもしれない。
言い方が冷たいのは攻撃かもしれない。
そうやって先に最悪を想定しておけば、いざ傷つくことが起きてもダメージを小さくできる、と考えるんですね。
特に、過去に似た経験がある人ほどこの反応は起きやすいです。
昔、無視されたことがある。馬鹿にされた経験がある。裏切られた記憶がある。
そうした痛みがあると、同じことが起きる前に察知しようとして、意図を悪く読みやすくなります。
さらに、こちらが疲れているときは、考えが一方向に偏りやすくなります。
余裕があるときは、忙しいのかも、見落としたのかも、と考えられるのに、疲れていると、嫌われたのかも、軽く扱われたのかも、と感じやすくなったりもします。
これは心のクセというより、コンディションの問題なんですよね。
だからこそ、悪意認定が出たときは、相手の問題だけではなく、自分の心の状態にも目を向けることが大切なんですね。
今の自分は余裕があるか、疲れていないか、過去の痛みが反応していないか。
そうやって一度立ち止まれるだけで、反射的な衝突を減らせるようになります。
運用の注意点
ハンロンの剃刀が役に立つのは、意図をどうとでも取れるような場面です。
例えば、返信が遅い、言葉が短い、連絡が抜けている、約束の時間を勘違いしている、そういった日常のすれ違いのようなものですね。
ここに悪意を乗せてしまうと、関係は一気に重たくなります。
こういうとき、悪意ではなく不注意や余裕のなさで説明できるかもしれない、と考えられるだけで、こちらの怒りや不安が落ち着きます。
落ち着けば、責める言い方をしなくて済みますし、余計な衝突を起こさずに済みます。
これは人間関係を守る上で、とても大きな利益になりますよね。
その一方で、ハンロンの剃刀を取り入れないほうがいい場面があります。
それは、明らかに攻撃されている、侮辱がある、境界線を踏みにじられる、繰り返し利用される。
こうした状況で無理に好意的に解釈し続けると、自分が傷つき続けてしまうだけですよね。
ここで大切なのは、ハンロンの剃刀は相手を信じるための道具ではなく、状況を冷静に見るための道具だということです。
疑っている自分を責めなくていいし、無理に仲良くしなくてもいい。
ただ、悪意だと断定する前に、他の可能性を一度考える。
そのうえで、必要なら距離を取る。
これがバランスのいい使い方なんですね。
効果的な使い方
ハンロンの剃刀を人間関係で使うときは、まず頭の中で出てきた結論を、いったん保留するようにします。
相手の返信が遅いときに、嫌われたに違いない、と決めてしまう前に、忙しかったのかもしれない、見落としたのかもしれない、と別の理由も一つ並べてみるんですね。
言い方がきついときに、攻撃された、と決める前に、余裕がないのかもしれない、焦っているのかもしれない、と可能性を増やすんです。
これだけで心の反応はかなり変わります。
次に大切なのは、事実確認です。
決めつけるような言い方ではなく、確認するような言い方を意識します。
例えば、連絡が遅いときに「もしかして、無視してる?」と言うと、一気に緊張状態になりますよね。
でも、「さっきの件だけど、確認してくれた?」と言えば、特に角が立つこともありません。
細かく書きましたが、相手に悪意なんてないと、素直に見るようにすればそれで基本的には大丈夫です。
「ハンロンの剃刀」は、相手との関係を守りつつ、自分の心も守るとっても便利な考え方です。
相手を悪者にしてしまうと、次からの付き合いはずっと警戒することになります。
それってしんどいだけですよね。
相手に悪意があるかどうかを確認するときの簡単な方法は、その事実を他の人に話してみることです。
他の人が「気にしすぎじゃない」と言えば、自分だけが悪意があると考えているだけの可能性が高いです。
逆に「それはヤバい」となったら、悪意が含まれている可能性が高いと言えます。
基本は「ハンロンの剃刀」を活用しつつ、怪しいと感じたときは人に聞いてみる。
そうすることで、より確かな人付き合いができるようになりますよ。
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