子どものため、妻のため、夫のため、親のため、部下のため。
誰かのことを考えて動くことは、とても尊いことですよね。
実際、そうやって誰かのために時間を使ったり、労力をかけたりしている人は、優しさや責任感を持っている人だと思います。
ですが、この「誰かのため」という考え方には、少しだけ気をつけたい落とし穴があるんです。
最初は自分から進んでやっていたことなのに、いつの間にか義務のように感じるようになって、そして相手から思ったような反応が返ってこなかったときに、
こんなにやっているのに。
誰のためにここまでしてきたと思っているんだ。
そんな気持ちが湧いてきてしまうことがあります。
もちろん、その気持ちが湧くこと自体が悪いわけではありません。
でもそこには、関係を苦しくしてしまう原因が隠れていることがあるんですね。
ということで今回は、「誰かのため」に見えて実は関係をこじらせやすい考え方と、後から苦しくならないための意識の持ち方についてお伝えしていきますね。
誰かのためは尊いこと
誰かのために何かをすることは、尊いことですよね。
実際に、家族のために働くとか、子どものために我慢するとか、部下のために手を貸すといったことは、多くの人が良いことだと感じると思います。
ただ問題になるのは、その行動によって、自分が何かを我慢し続けたり、自分の時間や選択肢を大きく削ったりしているケースです。
本当はやりたかったことをやめた。
本当は休みたかったのに動いた。
本当は引き受けたくなかったのに、自分がやるしかないと思って抱えた。
こういったことが積み重なっていくと、表面上は「相手のため」でも、心の中には少しずつ負債のようなものが溜まっていきます。
最初のうちは自分から進んでやろうとしていたし、納得しているから平気なんです。
ですが、相手の反応次第で一気に不満へ変わることがあります。
感謝されればまだ持ちこたえられるのですが、感謝されない、当たり前のように受け取られる、期待した反応がない。
そうなると、それまで積み上げてきたものが、一気に苦しさへ変わってしまうんですね。
つまり苦しくしているのは、相手の反応だけではありません。
その奥には、自分の中で整理しきれていない思いが残っていることが多いのです。
善意が義務になる流れ
では、なぜ最初は善意だったものが、不満や怒りに変わってしまうのでしょうか?
その理由のひとつは、自分の行動の意味づけが、途中から変わってしまうからです。
はじめは「私がそうしたいからやる」だったのですが、でも途中から「相手のためにやってあげている」に変わってしまうことがあります。
そしてさらに進むと「ここまでしているのだから、こう返してほしい」になっていくんです。
この変化は、意識していないと当たり前のように起こります。
自分では気づかないまま、頭の中で交換条件のようなものができてしまうんですね。
もちろん、露骨に見返りを求めているつもりはないと思います。
ですが人は、自分が大きな負担を引き受けたときほど、無意識にその負担に見合う反応を期待しやすくなります。
だからこそ、思ったような反応が返ってこないと、心の中でバランスが崩れてしまうんです。
関係に溝ができる理由
不満をもちながら取り組み続けてしまうと。
こんなに頑張ったのに。
そこまでしなくてもよかったのでは。
なんで私ばかり。
そんな思いが出てくるようになります。
ここで大事なのは、その不満を責めることではありません。
不満が出てくるということは、それだけ自分の中で無理が起きていたというサインでもあるんです。
つまり問題は、相手を思ったことではなく、自分の気持ちや限界を置き去りにしたまま動き続けてしまったことなんですね。
誰かのためにしていたことが義務になると、取り組み自体が苦しくなっていきます。
なぜなら、義務になった瞬間に、その行動には自由がなくなってしまうから。
そして、相手に対してしてあげていることに
これだけやっているんだから分かってほしい
察してほしい
ちゃんと応えてほしい
といった思いが強く乗り始めると、見えない圧のようなものが出てきます。
すると相手は、応えなければならない空気を感じたり、自由を奪われたように感じたりすることがあります。
やっている側としては愛情や善意のつもりでも、受け取る側からすると重たく感じることがあるんです。
そうなると、お互いに苦しくなってしまいますよね。
やっている側は、これだけ尽くしているのにと思う。
受け取る側は、そこまで求めていないのにと感じる。
このズレが大きくなると、関係には溝が生まれやすくなります。
特に家族のように距離が近い関係ほど、こういったことは起こりやすかったりします。
近い相手には、つい多くをしてあげたくなりますし、そのぶん分かってほしい気持ちも強くなってしまうんですね。
自分がそうしたいからやる
ここで大切になるのが、「誰かのため」に見える行動であっても、その根っこを「自分がそうしたいから」としておくことなんですね。
自分の意思をはっきりさせるからこそ、相手に期待や、見返りといった、見えない請求書を渡さずにすむようになるんです。
たとえば、子どものために時間を使うのであれば、
子どもの成長に関わりたいから私はやる。
親のために何かするなら、
後悔したくないから私はそうする。
部下のフォローをするなら、
育ってほしいと思っているし、そうすることが自分の価値観にも合っているからやる。
このように、自分の意志を含めた言葉にしておくんです。
すると、行動の主体が自分に戻ってきます。
苦しくなる前に見直したいこと
自分で選んでやっている感覚があると、相手の反応が想定と違ったとしても、必要以上に傷つきにくくなります。
もちろん、がっかりすることはあるでしょう。
でも、そのがっかりが相手への恨みや責任追及にまで膨らみにくくなるんですね。
なぜなら、自分で選んだ行動だと理解できているので、そういったことも織り込み済みにできるんです。
もし今、誰かのために頑張っていることがあって、それが負担に感じているようなら、一度だけ自分に問いかけてみてください。
私は、本当に自分がそうしたくてやっているだろうか。
断りにくいからやっていないだろうか。
嫌われたくないから背負っていないだろうか。
感謝されることを前提にしていないだろうか。
ここを見直すだけでも、かなり違ってきます。
「やりたい」という自分の意思があるなら、その行動は続けてもいいと思います。
でも、もし無理や義務感が強くなっているのなら、そのまま続けるほど関係にひずみが出やすくなってしまう恐れがあるんですね。
優しい人ほど、自分の苦しさに気づくのが遅くなる傾向にあります。
なぜなら、相手のことを考えることが正しいことと思ってしまうから。
だからこそ、苦しくなってから爆発する前に、自分の気持ちを確認しておくことが大切なんですね。
誰かのために動くことは、悪いことではありません。
むしろとても尊いことです。
ただそれが、本当に良い形で続くためには、自分の「やりたい」が土台にあることが欠かせません。
相手のために見える行動ほど、自分がそうしたいからやっているのかを大切にしたいですね。
そのほうが、相手との間に余計な溝を作らずにすみますし、自分の心も守りながら、温かい関係を続けていけるはずですよ。
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