気をつけていたはずなのに、名前を一文字まちがえた。
添付したつもりで送れていなかった。
確認したのに、なぜか抜けていた。
そんな小さいミスが続くと、自分は仕事が雑なのではないかと落ち込んでしまいますよね。
まわりに迷惑をかけた申し訳なさと、またやってしまったという悔しさが重なると、必要以上に自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
ですが、小さいミスは、単純に気持ちが足りないから起きるわけではありません。
そこには、人の脳がもともと持っている処理の特徴や、仕事中に置かれる状況の影響が深く関わっていたりするんです。
この仕組みが分かってくると、ただ反省するだけで終わらず、どこを見直せばいいのかが少しずつ見えてくるようになります。
今回の内容はきっと役に立つと思うので、最後までぜひ読んでくださいね。
背景を知る
小さいミスが起きたとき、多くの人はまず、自分の注意力や能力の問題だと考えます。
もちろん、確認が甘かったという面はあるかもしれません。
ですがそれだけが理由ではないんです。
というのも人の脳は、すべてを同じ精度で処理できるようにはできていないんですね。
脳は本来、とても効率を重視します。
目の前の情報を一つひとつ丁寧に見ているようでいて、実際には多くの場面で省略や補完をしながら思考を簡略化しています。
こういった機能のおかげで、日常の仕事を素早くこなせるのですが、その一方で、細かな違いを見落としたり、抜けを起こしたりもしやすくなります。
たとえば、資料の数字を見ているつもりでも、脳は一桁ずつ厳密に読んでいるとは限りません。
文脈からそれっぽく理解してしまうこともあります。
メールの文書も、きちんと読んだつもりで、実は自分が予想した内容として受け取っていることがあるんですね。
自分でも気づかないように、脳は処理をサボろうとするんです。
これは能力の問題というよりも、脳の性質の問題でもあるんですね。
慣れの影響
仕事に慣れてくることは、本来とても良いことですよね。
最初は時間がかかっていた作業も、経験を重ねることでスムーズになりますし、判断のスピードも上がっていきます。
ですが、この慣れが進むほど、小さいミスが生まれやすくなるんです。
その理由は、慣れた作業ほど、自動運転のように進むようになるからなんです。
頭で考えながら作業を進めなくても、身体が勝手に動いていくってことがありますよね。
その結果として、見直しの浅さにもつながることがあるんです。
慣れは効率を生みますが、同時に、確認をしたつもりという感覚も生んでしまいます。
ここが厄介なところなんですね。
初心者のころは慎重だった人が、経験を積んでから小さいミスをしやすくなることがあるのは、能力が下がったからではありません。
むしろ、うまくできるようになったからこそ、脳が細部への意識を省エネ化し始めた結果でもあるんです。
負荷が高いとき
とくに小さいミスは、忙しいときほど起きやすくなります。
これは感覚的にも分かりやすいですよね。
落ち着いて確認したくても、頭の中に別の課題が居座ったまま作業を進めることになると、どうしても確認が疎かになってしまいます。
人は同時にたくさんのことをこなしているように見えても、実際には意識を細かく切り替えています。
その切り替えが増えるほど、抜けや漏れの余地も増えていくんですね。
たとえば、チャットに返事をしながら資料を作ると、作業の流れが何度も切断されます。
その度に集中を取り戻すために、脳は一生懸命働きます。
そうした集中の切り替えが多くなればなるほど、脳疲労の蓄積が早くなり、集中レベルが低下してしまうんですね。
ミスを起こさないために
小さいミスを減らすために、いちばん大切なのは、作業の終わりに一呼吸入れることなんです。
とてもシンプルですが、実はこれがかなり効果的なんですね。
というのも、小さいミスの多くは、知らないから起きるわけではありません。
分かっていたのに抜けた。
見ていたのに見落とした。
確認したつもりだった。
そういう形で起きることがほとんどです。
つまり問題は、能力不足というより、脳が急いだまま処理を終わらせてしまうことにあるんですね。
だからこそ必要なのは、もっと集中しようと自分を追い込むことではなく、最後に一度だけ立ち止まることなんです。
メールを送る前。資料を提出する前。数字を確定する前。
ほんの数秒でもいいので、すぐに終わらせず、いったん止まる。
それだけで、うっかりミスを見つけやすくなりますよ。
小さいミスをなくそうとすると、仕組みでなんとかしようと考えることが多いと思います。
もちろん仕組み作りは大切なんです。
ですがそれと同じくらい、立ち止まって余白を持つことも大切なんです。
人の脳には限界があるからこそ、最後に一呼吸入れるだけでも、気づく力は戻ってきます。
自分を責めるよりも、自分を整える。
その視点が結果として、ミスを予防してくれるんですね。
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