人間関係を壊してしまう人というと、感情の起伏が激しくて、怒りっぽくて、思ったことをすぐ口にしてしまう人を想像しやすいですよね。
ですが実際には、その逆のタイプのほうが、ある日突然、関係を断ち切ってしまうことがあります。
普段はやさしい。空気も読める。
相手に合わせることもできる。
多少嫌なことがあっても、笑って受け流してしまう。
そういう人ほど、周りからは 安定している人 と思われやすいものです。
だからこそ、その人が急に距離を置いたり、連絡を絶ったり、もう無理ですと関係を終わらせたりすると、周囲はとても驚いてしまいます。
でも本人の中では、急に何かが起きたわけではないんです。
ずっと前から小さな違和感や悲しさや怒りが積み重なっていて、それがようやく限界を超えただけなんですね。
ということで今回は、感情を溜め込みやすい人ほど、なぜある日突然関係を壊してしまうのか、その心の動きと、そうなる前に見直したいことについてお伝えしていきます。
我慢できる人ほど危うい理由
我慢強いことは、一般的には良いことのように見えますよね。
相手に配慮できる。
場の空気を乱さない。
多少の理不尽があっても、落ち着いて受け止められる。そういった姿勢は、大人だとか優しいとか、できた人だと評価されやすいものです。
実際、我慢できる力そのものが悪いわけではありません。
人間関係は、自分の気分だけで動いていたら続きませんし、ときには譲ることや飲み込むことも必要です。
ですが問題になるのは、その我慢が多すぎるときなんですね。
本当は嫌なことなのに、「そんなことを考えちゃいけない」と、自分に言い聞かせて、自分を納得させてしまうんです。
しかも我慢できる人は、その場を収めることも上手です。
だから周囲も、この人は平気なんだ、気にしていないんだ、これくらいなら大丈夫なんだ、と受け取ってしまいやすいんですね。
本人も、まだ大丈夫、これくらいで揺らぐ自分ではいたくない、と無意識に耐え続けてしまいます。
つまり、我慢できることと、健全であることは同じではないんですね。
我慢できる人ほど、壊れる直前まで周囲に気づかれず、自分でも限界を見失いやすいんです。
突然心が折れる
感情を溜め込んでしまう人の心の中では、何が起きているのでしょうか。
これを理解するうえで分かりやすいのが、心の中にコップがあると考えるイメージです。
日々の違和感や不満、悲しさや怒りが生まれると、そのコップに少しずつ水が注がれていくような感じです。
一つひとつ出来事は、小さなことなので、それほど強い我慢をすることはないのですが、心のコップにとっては確実に溜まっていきます。
しかも厄介なのは、我慢する人ほど、その水をこぼさないように頑張ってしまうんです。
本当は少し外に出せばいいのに、大丈夫、大丈夫と抱え込むので、中に溜まり続けてしまうんですね。
そしてある日、ほんの少しの水が入ることで溢れてしまうんです。
すると周囲からは、その最後の出来事だけが原因に見えてしまいます。
たったそれだけのことで、なぜそこまで怒るのか。
急に冷たくなるなんて、どうしたのか。そんなふうに見えてしまうわけです。
でも本人からすると、その最後の一滴だけの話ではありません。
そこに至るまでに、何度も何度も自分の気持ちを飲み込んできたわけです。
その積み重ねがあって、もうこれ以上は無理だとなっているんですね。
だから、突然壊れたように見えて、実は突然ではないんです。
関係が終わるとき、多くの場合は最後の出来事が原因なのではなく、それまで蓄積してきたものが形になっただけなんです。
限界を迎えたとき
では、感情が限界を超えたとき、実際にはどんなことが起こるのでしょうか。
人によって表れ方は違いますが、共通しているのは、溜め込んできたぶんだけ反応が極端になりやすいんですね。
普段は穏やかな人が、急に強い言葉で怒る。
何も言わずに距離を置く。
もう関わりたくないと関係そのものを切る。
泣きながら気持ちをあふれさせる。
あるいは、表向きは静かなままでも、心の中で完全に相手を切り離してしまうこともあります。
ここで起こっているのは、ただの気分の波ではありません。
ずっと抑え込んできた感情が、一気に表面化している状態なんですね。
だから本人も戸惑います。
こんなに怒ってしまうなんて。
こんなふうに関係を切りたかったわけじゃないのに。
もっと穏やかに伝えたかったのに。
そう思うことも少なくありません。
ですが、限界を超えた心は、それまでのように丁寧に調整する余力なんて残っていません。
そのためどうしても極端な行動として表れてしまうんです。
つまり我慢は、関係を守っているように見えて、実は最後に大きく壊す火種にもなりうるんですね。
関係を壊す前にできること
では、感情を溜め込んで限界を迎える前に、何を見直していけばいいのでしょうか。
大切なのは、いきなり上手に伝えようとしないことです。
最初から完璧に言おうとすると、かえって言えなくなってしまいますよね。
まずは、小さな違和感を小さなまま扱うことが大事なんです。
少し疲れた。
少し悲しかった。
ちょっと引っかかった。
その程度の感覚でも、ないことにしない。
心の中でいま自分は少し無理をしたなと認めてあげるだけでも違います。
感情は、認識されるだけで落ち着いていくんですね。
そのうえで、相手に伝えるときも大きな話にしなくて大丈夫です。
責める形ではなく、自分の感覚として言葉にしてみる。
たとえば「今回は少ししんどかったです」とか、「その言い方は少し気になりました」とか、「今日は余裕がないので難しいです」、といった伝え方ですね。
このように相手を責めるのではなく、自分が何を感じたのかを柔らかく伝えるんです。
そうすることで相手は、こちらの心の内を理解してくれるようになるんですね。
また、何でも自分一人だけで処理しないことも大切です。
信頼できる人に話す。ノートに書く。少し距離を取る。
そういった方法で、心のコップに溜まった水を捨てていくことも大切です。
そして何より、自分が我慢しないと続かない関係は、本当に健全なのかを見直してみてください。
関係を続けることそのものが目的になると、心はどんどん苦しくなってしまいます。
大事なのは、続いていることではなく、その関係の中で自分が無理なくいられるかどうかなんですね。
感情を溜め込んでしまう人は、壊したくて関係を壊すわけではありません。
むしろ壊したくないからこそ、波風を立てないようにして、相手を困らせないようにして、自分の気持ちを後回しにしてしまうんですね。
でも、我慢し続けることでしか保てない関係は、どこかでひずみが生まれます。
だからこそ大切なのは、壊れるまで耐えることではありません。
小さな違和感に気づくこと。自分の気持ちを軽く扱わないこと。少しずつでも言葉にしていくことなんです。
自分の心を大切にすることは、わがままではなく、健やかな関係を育てる土台になりますよ。
Kindleで電子書籍を出版しました
出版一週間で
- ストレス管理部門
- ビジネス・経済スキル部門
- ビジネス・経済部門
- ビジネスコミュニケーション部門
- 実践経営・リーダーシップ部門
- 自己啓発部門
- 心理学部門
など、計13部門で一位を獲得。
Kindle Unlimited会員の方は無料で読むことができます。
書籍ページはコチラ
↓ ↓ ↓

コメントをお書きください